あの『長いお別れ』が村上春樹の新訳で帰ってきた。チャンドラーの『ロング・グッドバイ』である。久しぶりに時を忘れて読んだ。旧訳の慣れ親しんだハヤカワ文庫版を書庫から引っ張りだしてきた。高校生の頃の斜に構えた自分がそこに居てたまらなく懐かしくなった。あれからもう随分時が経って、ギムレットの味も覚えた。サンセット・ブルーヴァードにも行ってみた。が、いまだ、マーロウの美意識は持ち得ない。やはり、マーロウは美しかった。そして、いつまでも憧れの存在だ。

レイモンド・チャンドラー, 村上 春樹
ロング・グッドバイ

レイモンド・チャンドラー, 清水 俊二
長いお別れ