(入社2か月目のある日)

 

上司

「介護職を超える称号…

君に生活相談員の称号を与える…」

 

CIA長官から握手を求められる私。

 

「……」

握手を断り、悲し気な目をして部屋から出ていく私。

 

注意:上記は私の妄想です。

 

介護業界は常に人手不足に悩まされているが、そのために入社して間もない私がまさか相談員に任命されるとは思わなかった。

 

介護業界の人手不足に解決策はないのだろうか?

そんな思いでこの記事を書いています。

 

私が好きな故事でこういう言葉があります。

 

「まずは隗(かい)より始めよ」

 

隗とは中国の戦国時代の郭隗(かくかい)という人物のこと。

当時、燕という国は近隣国との戦争に負けて国家はボロボロ。

国の再建が叫ばれるがなかなか人材が集まらない。

人材募集しても人が集まらないという状態であったわけです。

 

そこで燕王は学者の郭隗に相談します。

すると彼はこんな話をします。

 

昔、ある君主が名馬を手に入れようと各地を探させたがなかなか手に入らなかった。

そんな時、ある雑用係が私が買ってきましょうと名乗り出たので大金を渡して買いにやらせた。

その男は名馬を見つけることに成功するがその馬が途中で死んでしまう。

しかし男は死んだ馬に大金を払って国に持ち帰ってきたので、王は激怒。

王は欲しいのは生きてる馬だ!と言うと男は、いやいや死んだ馬でさえ大金を払うなら生きてる馬ならもっとよい値段をつけてくれるはずと探さずとも名馬が手にはいるでしょうと言った。

その後1年足らずで良い馬が何頭も手に入った。

 

この話をした後、郭隗はこう言います。

「まずはこの私から始めてください。

私ですら王様に重く用いられているということであれば、私より有能な人物は招かずとも来るでしょう。」

 

その後、王様は郭隗を重要なポストに抜擢し重く用いたことで優秀な人物が各地から仕官してきたという。

 

これは私が好きな故事のひとつで、殺伐とした戦国の世にユーモアがあって面白いと思います。

 

さて、この故事はご都合主義なお話しではありますが現代にも当てはまることだと思います。

要するに人材を外部から募集し続けるのではなく、まずは組織の人間をうまく活用することで事態は好転するということです。

 

介護業界は今一度組織の内部を深く見つめなおすべきだと私は考えます。