最近,と言っても,もう10年以上になるが,CDを新譜で買うということはほとんどなくなった。
予約までして買ったCDと言えば,ビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」とポールの「ニュー」くらいのものだ。9月7日にはポールの新譜が出るが,特典付きのものなど何種類もあるようなので,どれが一番お得なのかを見極めてから買いたいので,まだ予約はしていない。
ここ10年くらいで一番CDを買ったのは,やはりヤフーのオークションではなかろうか。インターネットで買うことができるオークションには,他にも楽天オークションなどがあるようだが,僕はもっぱらヤフオクを利用してきた。特別な理由があるわけではない。
ただでさえ射幸心を煽るようなオークションにあまり深く関わりたくないというだけだ。あれには間違いなく危険な要素がある。百円からスタートしているようなものの中にも掘出物があって,そんなものを見つけた時には,みんながやっているように,しばらく様子を見て,〆切時間が近づいてからそっと入札してみる。
ところが,そんなことは参加者全員が熟知しているので,〆切間際になって次々に高値更新という事態になって,アッという間に千円,二千円,時には五千円や一万円を超えるまでに高騰するものがあってびっくりする。ついつられて応札してしまうと大変なことになる。
本当にそんな値段で落札して買う人がいるのだろうかと思うような,ちょっと珍しいというだけの代物に何千円も投資する人は,単に珍品コレクターなのか,転売目的なのか分からないが,珍しいというだけで欲しがる人がいるようだ。
僕の場合,入札対象を,どうしても聴きたいがyou-tubeなどにアップされていない超レア物で,その後有名になったギタリストが所属していたバンドの知られざる名盤,といったものに限っている。それでも内容と値段を冷静に考えて,一定額を超えたらきっぱりと断念することにしている。それができないとギャンブルになってしまう。
あくまでも参考価格を知るためだけに取引額を検索してみる場合もある。時には,昔,何気なく買っていたB級バンドのCDが廃盤になっていて驚くような高値で取引されていたりすることもある。売るつもりはないが,何か含み益を得たような気になる。
かなり昔の話になるが,ガンズ& ローゼズのレイプ・ジャケが一万円を超える高値だったこともあった。ヤフオクに出品したことはなく,もっぱら買う方専門だが,気を付けなければならないのは送料だ。ベテランの人ならとっくに知っていることだが,商品価格が安いと思って入札の注意書をよく読んでみると,送り方を出品者が決めていて,それが商品価格よりも高いことがある。千円で買えたと思っても送料が千円もしたら,普通に新品をお店で買った方が得ということはザラだ。
先日,珍しいCDのボックスセットが千円で出品されていたので,これで落札できるのなら買ってもいいかなと思って,よく見たら,海外からの発送のため送料が五千円となっていた。こういうものに引っかかると大変だ。送料で儲ける手口は,さすがに見透かされてきたが,最近クレームとしてよく見かけるのは,直前に売れてしまって欠品になったというものだ。
大量生産されている量販品ならともかく,中古でその品一点しかないものを何の説明もなく売りに出しておいて,なくなりましたというのは酷い。幸い,そんな目に遭ったことはないが,相手の顔が見えない商売だけに,信頼できる相手かどうかの見極めが一番重要だ。日頃の行いがよいのか,運がよかっただけなのか,今まで取引して酷い目に遭ったことはない。