正式なバンド名は「ザ・ストライプス」だが,ビートルズと同様に,単にストライプスという表記で書く。次回,ライブ参戦するのだが,これまでの参戦組とは全く違うバンドだ。

 

今年のライブ参戦「秋の陣」は,それまでのような超大物の来日がなかったので,大物の実力派の中で,あくまでも楽曲が僕好みのバンドを厳選して参戦した。これが大正解だったので,ますますライブの魅力にはまり込んでしまうことになってしまった。

 

超大物というのは,僕の勝手な定義で,世界中で1億枚以上のアルバム・セールスがあるバンドやミュージシャンということにしている。下手をすれば二度とお目にかかれない伝説の人達だ。大物は,1千万枚以上の売上げ程度のバンドを想定しているが,セールスがバントの価値でないのは当然で,あくまでも一つの目安にすぎない。会場のキャパやチケット入手の困難度,最終的には歌える曲が何曲あるかも考えた上で,参戦する価値の有無を判断している。今秋は,すべてが充実した内容と抜群の演奏力だった。

 

ところが,ストライプスは,まず伝説はない。売上もこれまでに参戦したバンドと比べると,ほとんどないに等しい。そういう意味での実績はないが,それでも参戦したいと思った理由については前に書いたとおり。

 

そこで,改めてすべての,と言っても3枚だが,アルバムを買って通勤時間に聴き始めている。ファースト・アルバムは以前買ったはずなのに見当たらないので,中古で安いものを買い直した。ブラッと入ったブック・オフに500円で売られていたが,DVDが付いた950円のものも4枚くらい並んでいたので,そこそこ売れたのではないか。それにしては,来日アナウンスがあってかなり時間が経ってチケット申込をしたのに,整理番号,百番台というのは少ない気がする。

 

デビュー作は,それこそビートルズがデビューした時のような若々しさに溢れていて,

それを現代風にしたような感じの曲が続く。パンクの影響を感じさせるような歌い方の曲もあるが,声質がジョンに似ているだけでなく,時々,ミックの香りもする。悪く言えば,二番煎じ,良いとこ取りと言われそうだが,エアロスミスもクイーンも,そんな批判をものともせず,自分達の色を身に着けて成長した。

 

 そうなのだ,彼らが二枚目,三枚目でどんなアルバムを仕上げてくるかということが大事なのだ。ベースもパンク系のリズム・キープのようなスタイルではなく,ポールの影響を受けた独特の動きをしているように聴こえる。ベースを弾けるわけではないので,あくまでもそう感じるというしかないが,ありきたりな音ではない。センスが良いのに出しゃばらないのもビートルズっぽい。そして,何よりも,ドラムの鋭さが抜群だと思う。手数が多ければ上手いと勘違いしがちだが,あくまでもバックに徹しているのに,曲に合わせて叩くべきところでシンプルかつ的確な爆発力を見せる。

 

 グリーン・デイやポリスもそうだった。そして,ブルース・ハープを使いこなしている。これができるバンドは大成する。まだメンバーの名前すらも覚えていないのだが,一作目は,確かにまだまだ「なかなかやるな」という程度で,何度も繰り返し聴くというほどのインパクトはなかった。それでも,凡百のパンク・バンドやエモ・バンドにはない「似ているけど違う」強烈な個性を感じる。