「今夜はぐっすり眠れそうだ」
決戦前夜、軍曹クーマンは自信に満ちた顔でそう語った。

ピッチ外ではバルトメウ会長の去就問題やメッシの退団騒動、サッカーではヘタフェ(フェ)に完封負けを喫し、テアシュテーゲンが離脱するなど何かとネガテェブな話題に溢れるバルセロナ。
それに対して補強を行わず現戦力で戦うことを決めたが、「現状維持は停滞」という言葉を証明するかのようにカディス、シャフタールに二連敗を喫しジダンの解任も囁かれたマドリー。
お互い不調の中でどのように力を発揮するのか。世界中が注目した。
結果は3-1。マドリーの圧勝に終わった。
マドリーの勝因。それは「若手の経験値」であろう。
現在大学三回生の私が高校生だった頃、世界のサッカー界を牽引していたのは間違いなくMSN、BBCである。その中で現メンバーはメッシとベンゼマであることから時代の変化を感じさせられるが、それ以上に驚くのは現メンバーのその若さである。
17歳のアンスファティとペドリを筆頭にバルサ、マドリー互いに期待の若手が出揃った。
その中でマドリーにあってバルセロナになかったもの。それこそ経験値である。もっというなら経験値を与えるリーダーの存在であろう。
ヴィニシウスに関してはトップチーム三年目。シュート精度を叩かれることもあるが、左サイドからのドリブルは驚異的で年々熟練度は増している。
去年覚醒したヴァルベルデは加入当時は実力を発揮できなかったが日に日に成長。今では世界有数のボックス型プレイヤーに成長した。
そして若手の手本となりチームを引っ張ったマドリーのリーダー、セルヒオラモスの存在はとても大きいものであろう。
それに対してバルセロナはどうだろうか。ファティ、ペドリなど才能豊かな選手がいることは間違いない。しかし、単純なプレー期間、そしてそれをもたらすリーダーの欠如。メッシは神に愛された男だが、リーダーシップは持ち合わせていない。この二点においてマドリーに劣っていることは明らかである。
若手を上手く育て上げ、解任報道に振り回されず実力を証明したしたジダン。
若手の起用において監督としての実力不足を露呈したクーマン。
スペインの二大チームにはこれからも目が離せない。
