アメリカ兵器でのロシア領内攻撃容認、プーチンの「最大最後の一線」を越えた? | 姫路のスグロホマーレ

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アメリカ兵器でのロシア領内攻撃容認、プーチンの「最大最後の一線」を越えた?

 

アメリカはついにウクライナに対し、アメリカが供与した武器で、ロシア領内を攻撃することを認めた。ウラジーミル・プーチンが引いた最後の一線(エスカレーションへのレッドライン)を越えることを意味するバイデン政権の新方針は、今後の戦況にどのような影響を与えるだろうか。

ロシア軍は5月半ばからウクライナ北東部の都市ハルキウに対して激しい攻撃を仕掛けており、ウクライナ軍はハルキウ周辺を標的にするロシアのミサイル攻撃を防ぐことができずにいる。そのためウクライナ政府は、ロシア軍の攻撃の拠点があるロシア領内も欧米の兵器で直接攻撃させて欲しいと要求してきた。 アントニー・ブリンケン米国務長官は、アメリカはこの戦争に「適応し、調整しなければならない」とコメントしたが、これはウクライナへの軍事援助をさらに段階的に増やすという姿勢を反映している。 アメリカの武器支援は対戦車ミサイル「ジャベリン」や対空ミサイル「スティンガー」からロケット砲の「ハイマース」、M1エイブラムス戦車へと次第に強力さを増し、ウクライナにとって垂涎のF16戦闘機も準備中だ。 ただしそれでも、陸軍戦術ミサイル(ATACMS)の長射程版を含む長距離攻撃兵器の供与は検討されてこなかった。これは、ウクライナ軍がロシア領内を直接攻撃することにより、戦火が拡大することをバイデン政権が警戒したからだ。 ■核攻撃も示唆 ロシア政府はウクライナ戦争をロシアとNATOの代理戦争とみなしており、この戦争で越えてはならない一線について言及している。国家存亡の危機に至った場合は、核兵器を使うことさえ示唆している。それがどういう場合なのか具体的には示されていないため、どこがレッドラインになるかははっきりしない。 プーチンはウクライナを支援した西側諸国に罰を与えると宣言したが、それを軍事的に実行するには至っていない。だが、5月に核兵器訓練を行うと発表したことを考えると、今後はどうなるかわからない。 ボローニャ大学の研究員で、著書『ロシアの戦略文化を再解釈する』が7月に刊行されるニコロ・ファソラは次のように本誌に語った。「ロシアが、本当に越えてはならない一線と考えているポイントはあるだろう。そこに至れば当然、適切な対抗措置を取るはずだ」「ロシアにとっては紛争の拡大に向けた大きな一歩とみなされるだろうし、戦略的な意味をもつ可能性がある」