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もしトラ

今年(2024年)11月に投票が行われる、アメリカ大統領選挙。共和党の予備選挙で、2連勝したトランプ氏をめぐって、ある言葉が、ささやかれ始めています。

 

「人類滅亡まで90秒ですー」 人類滅亡までの残り時間を象徴的に示す「終末時計」。1月23日、「ウクライナでの戦争や中東情勢の悪化」などを理由に、去年と同じ過去最短の「90秒前」と発表されました。 実はこの終末時計、2017年に30秒進められたことがあります。その理由が、トランプ大統領の誕生でした。 トランプ氏が核兵器の強化などに言及していたことから、世界の安全性低下につながるとされたのです。それから7年… ■独走状態で返り咲きの可能性も “もしトラ”の脅威 11月のアメリカ大統領選に向けた共和党の候補者指名争い。第2戦となるニューハンプシャー州の予備選でトランプ氏が勝利しました。 トランプ支持者 「勇気と強さと賢さを持つのはトランプ氏だけです」 最大のライバルと目された、フロリダ州のデサンティス知事が選挙戦から撤退。初戦に続き2連勝したトランプ氏が、共和党候補に選ばれる可能性が一段と高まったのです。 トランプ前大統領 「我々は勝つ以外に選択肢はない。勝たなければこの国は終わる」 トランプ氏の“返り咲き”が現実味を帯びる中、メディアで使われ始めた言葉があります。 「もしトラ」―「もしトランプ氏が再び大統領に返り咲いたら」を略した 言葉。世界は今、この「もしトラ」に備え、戦々恐々と身構えます。 ■戦々恐々の各国は早くもトランプ・ショックに備える動きが 大統領だった頃、「アメリカ第一主義」を掲げたトランプ氏。当時、自国の製品に高い関税をかけられた隣国カナダは… カナダ・トルドー首相 「我々は4年間にわたってトランプ前政権の難題を乗り越えてきた。明らかにトランプ氏は“予測不能”だ」  ヨーロッパからも、不安の広がりとともに備えを始めるべきという声が次々上がっています。

「欧州ではいまトランプ氏の話で持ちきりだ。我々はトランプ政権2期目の可能性に向けて、ヨーロッパの競争力を強めて備えるべきだ」 欧州中央銀行・ラガルド総裁 「(トランプ氏2期目に対する)最善の防御策は攻撃だ。そのためには自分たちが強くなければならない」 そして「もしトラ」で大きな影響を受けるのが、外交・安全保障です。 トランプ前大統領 「(NATO加盟国に)こう言ってやった。金を払わないなら、お前たちを守らない」 以前から、「NATO=北大西洋条約機構からの脱退」の可能性に言及してきたトランプ氏。アメリカ議会はそれに備え防御策を講じました。 先月、アメリカ議会は大統領がNATO脱退を決める際の条件として、議会との事前協議を義務付ける法案を可決。一方的な脱退を阻止するための策をとったのです。 ■2つの戦争に“もしトラ”が与える影響とは・・・ そうした中、今後、大きな影響を受けるとされるのがウクライナ情勢。 トランプ氏に対して、先日、こんな発言が… ゼレンスキー大統領 「トランプ氏、あなたをウクライナのキーウに招待します」 以前、トランプ氏は自分なら「24時間以内に戦争を終わらせられる」と豪語。そんなトランプ氏に対し、ゼレンスキー大統領は皮肉交じりに… ゼレンスキー大統領 「ドナルド・トランプ、あなたをウクライナのキーウに招待します。もし24時間以内に戦争を止めることができるのであれば、来て頂きたい」 トランプ氏再登板による影響を専門家は… 三牧聖子・同志社大学准教授 「プーチン大統領にとってウクライナ戦争を有利に終えるには、アメリカと ヨーロッパの結束を壊すことが非常に望ましい。トランプ大統領は勝手にそれをやってくれる。世界の権威主義的なリーダーはトランプ氏に当選してほしいと考えている」 またガザの戦争にも影響が避けられません。在職時にエルサレムをイスラエルの首都と認定するなど、世界を驚かせたトランプ氏は、今後より一層イスラエル支持を強めるとみられるからです。

世界の分断や対立がさらに深まる懸念の中、日本を含め東アジア情勢に与える影響については… 三牧聖子・同志社大学准教授 「『台湾に半導体産業を奪われた』と公言してしまう大統領なので、アメリカの利益のために、自分の利益のために台湾との関係を揺るがし、日本に対して、自分たちで防衛努力すべきだと、圧力が強まることは当然考えられる。民主主義を守らなきゃいけないという観念がない人なので、さらに私たちは不透明な世界にさらされる」 もしトランプ氏が再選したら、世界は一体どこへ向かうのでしょうか―