都営新宿線の菊川駅から徒歩数分の場所にある、中華料理専門店「味味」を訪問した。
あらかじめこちらの店では、担々麺と麻婆麺が評判だということを調べての訪問である。
オーダーしたのは、珍しい「汁なし麻婆麺」。
汁なし麻婆麺を出す店は決して多くはないため、大いに期待して足を運んだわけである。
着丼した汁なし麻婆麺の麺顔を覗いてみる。
なんと、たっぷりの汁があるではないか。
一見すると汁がなみなみとたっぷり入っているのに、汁なし麻婆麺と名乗る店に出会うのは、荻窪の光陽楼に続いてこれが2回目である。
光陽楼の時は、間違えて汁ありを持ってきたのではないかと思ったものだが、今回はこれが本当に汁なしかと問いただすことはしなかった。
なんとなく見て、理由を察した。
汁というかスープ部分がドロドロなのだ。
ほとんどの麻婆麺は、上に乗っかっている麻婆豆腐の周囲の輪郭が、半透明のラーメンスープで囲まれている。
しかしこちらは全体がすべて麻婆餡であり、ドロドロの流動食のように見える。
さっそく食べてみよう。
おお、360度すべて麺を覆っている麻婆餡は、とても濃厚である。
麻婆餡が濃厚な麻婆麺というのはよくあるのだが、たいていは周辺の淡麗なスープと混ざって薄められてしまうのがお決まりの話だ。
だが、この汁なし麻婆麺は、360度、そしてどんぶりの底まで全て、ドロドロの濃厚・濃醇・濃縮された麻婆餡そのもので満たされていた。
おそらくこのメニューを「汁なし」と名乗っているのは、このようなドロドロの状態のスープは「汁」とは定義していないからであろう。
サラサラの淡麗なスープが汁であって、ドロドロのスープは汁ではないということなのだ。
きっと荻窪の店も一緒の考えなのであろう。
一切ラーメンスープに薄まることのない麻婆餡と豆腐を食べ進むうち、元々麻婆ラーメンに求めていたのは、このようなものだったのだと気がついた。
当然のことではあるが、普通の麻婆ラーメンは、醤油ラーメンの上に麻婆豆腐の餡と豆腐を乗っけたものである。
ところが、この汁なし麻婆麺は、100%麻婆餡と豆腐の中に、逆に麺を入れたという印象のメニュー。
これだ!

わずかながら山椒の風味も感じられ、しっかりと食欲を刺激してくれる。
麺はゆるくウェーブのかかった平打ち麺のような形である。
箸で持ちやすく、食べやすく、このドロドロのスープとの絡みも非常に良い。
全体が濃厚な分だけネギも多めに乗っており、そのネギの新鮮でシャキッとした歯ごたえや酸味、風味が素晴らしい。鮮度もとても良い。
ほぼ欠点がない麻婆ラーメンに見えた。
最高点。
味が最後まで薄まることがなく、純粋な麻婆餡を食べ続けることができた。
たっぷりと一見汁のように見える、汁ではない麻婆餡スープに満たされた麻婆麺。
こうなると、ぜひこの店の普通の汁ありの方も食べてみたいものである。
汁なし麻婆麺
8.0点 1000円
二代目麺屋 味味
東京都墨田区緑3-4-2








