今回は趣向をかえて前立腺ガンに対して世間一般に言われていることについて思うことを記します。

備忘録のようなものです。


その1

前にも書きましたが、近年前立腺ガンは急増している、というのは疑問があります。

そもそも近年というのは何年か、というところから考えなければならず、ここ10年でみれば毎年の新患は9~10万人程度とほぼ横ばいで、それ以前に患者数が増加しているのはPSA検診の普及があるからではないでしょうか。


その2

次に、PSA検診は前立腺ガンによる死亡率を低下させないと言われていたか時期がありますが、現在ではこれは誤りであるとされています。

もともと10年ほど前にアメリカで発表された論文が基になっているようですが、その後試験方法に問題がみつかり参考にならない論文と結論付けられてます。

欧州での研究では“死亡率を低下させる“とする論文と、“させない“とする論文が発表されていましたが、現在では

「PSA検診は死亡率を低下させる」

ということに落ち着いたようです。

したがって、死亡率を低下させないとする論文を根拠とした旧厚生労働省研究班による勧告は参考にできません。


なおPSA検診については毎年受診することを強くお勧めします。

というのは、たとえPSAが基準値以下であっても増減がわかる上に急増した場合の期間を見極めることができるからです。


その3

よく「まれ」といわれますが、「まれ」とはどの程度のことを言うのでしょう?

例えば全体の5%程度と考えた場合、毎年10万人の新患が報告される前立腺ガンでは5000人になります。

自分的に5000人は決して少ない数とは思えません。

ご存じの方も多いとは思いますが、まれといわれている男性乳ガンがあります。しかしながら年間の新規患者数は700人程度です。

意外と多いのです。

何が言いたいかと言いますと、「まれ」という言葉にすがらず「正しく恐れましょう」ということです。

「前立腺ガンはゆっくり進行するもの」ばかりではありません。

必ず疑いがある場合は泌尿器科等の専門医と相談しましょう。