珍しい本を読みました、と書きましたが、珍しくない本というものは有るのでしょうかね。 多分無いような感じもしますが、この本は、わたしにとってはやはり珍しい本の部類に入ると言ってよいようです。

 

つまり、藤沢周平さん(本名 小菅留治さん)の娘さんが、お父さんである周平さんの日常を書かれている本、ということは,作家の日常をその娘が思い出として書いた本、となりまして、しかもその作家が、わたしが特に好んで読んだ時代物作家であった、となりますと、世界中探してもこの本しか無いのですから、やはり何と言っても、珍しい本と言えるように思うのです。

 

本の題は「藤沢周平 父の周辺」となっています。

 

この本の存在は先日読んだ「海坂藩大全」の巻末の紹介で知りました。 「えっ、そんな本が在るのか・・・」との驚きは、テレビで「司馬遼太郎からの手紙」の存在を知った時以来のことでした。

 

自分の特に好んだ作家の私的な部分を知りたい、との思いが強いわたしは、今までも吉村昭氏の随筆や、吉村さんの妻である津村節子さんの随筆を好んで読んできたことからも言えますが、司馬遼太郎さんや、藤沢周平さんに付きましては、いささかその方面の出版物に消化不足の感がありました。

 

藤澤さんには幾つかの随筆が有りまして、何冊かは読んだ記憶があるのですが、それらは全て藤沢さん自身が、自分の経歴的な内容から起こしたものだったようでして、日常生活の窺えるようなものは、さらりとしか書かれていなかったような感覚しかありません。

 

藤澤さんの子供の頃の思い出の中で、強く記憶に残っている場面を一つ挙げますと。

 

或る日藤沢少年が一人で留守番をしていた時、一人の着流しの鳥刺し青年が家を訪れ、一杯の水を所望したそうです。

 

瓶から水を汲んで差し出す藤沢少年を見た青年が、「君は将来教師か、ものを書く人になりそうだね」

 

と語ったそうなのですが、藤澤少年は、成人後この両方に成っているのですから、凄い観察眼の青年だったのですね。

 

さて「藤沢周平 父の周辺」には、次のような項目別で書かれています。 

 

Ⅰ 幼い日の思い出 Ⅱ 娘時代  Ⅲ 鶴岡 Ⅳ 父の日常  Ⅴ 生と死と 

 

そしてそれぞれの項目の中には (父と母のデート) ですとか (禁じられた遊び) (夏休み) (たった二回の家族旅行) (家での会話は)(歯医者ぎらい)(叔母さんのおにぎり)(父の言葉、父の遺志)などなど多くの父母との日常的なエピソードが語られているのです。

 

この本はわたしにとり、正に藤沢さんの普段の姿が想像できる素晴らしい内容でした。

娘さんの優しい目から見た藤沢さんの姿は、良く見る写真の姿からも想像される、藤沢さんの生き方そのもので在ったように思われたのでした。

 

ただ藤沢さんが亡くなった後の家族の姿からは、やはり哀しいものが感じられました。

 

遺書も有ったようですが、作家故の多くの残された資料や書き物の整理など、ご家族にとってはつらいものがあったようでした。

 

 

先日もまた仕入れに行ってきました。 市場の花です。

 

ビデンスです。 鮮やかな色ですね。

 

エニシダです。季節感がありますね。

 

ペチュニアが初めて出て来ました。

 

良く知りませんが、多肉植物のような感じです。

 

帰りにもう一軒寄りましたが、ここを通る度に、この路は何処へ通じる路だろうかと思ってしまいます。

何となく通ってみたくなるような・・・。

南へ行く路ですが、余り車が通っているのを見たことがありません。

行ってみたいけど、帰りを急いでいるからちらっと見るだけです。