子供の頃のことです。 小学校の3~4年生の頃は、良く家の前の道路などで遊んでいたものでした。

 

町中で舗装されている道は極僅かで、当然家の前の道は舗装されていませんでしたから、棒切れなどで円を描いては相撲をとったり、適度に離れた電信柱を陣地にして陣取り合戦をしたり、また道路に大きなSの字を書いて、これは片足ケンケンの陣取り合戦をしたりして遊んでいたものです。(これらの遊びには当然いろいろとルールが有るのですが、それを書きますと随分長く成りますから割愛します)

 

当時街中に子供の数は事足りていて、一声かければ直ぐに7~8人の仲良しが集まって来ていました。

 

皆でわいわいがやがややっている時、偶に近所のお母さんから声が掛かり「ヨッちゃん、ちょっと買い物に行ってくるからウチのタケシを見ててくれん」などと頼まれます。

 

「うん、いいよ」と答え、幼稚園に上がる前くらいの男の子に、「タケちゃん陣取り合戦やろうな」と遊びに誘います。

 

タケちゃんは喜んで皆に加わりますが、ルールは良く解りません。 ただあちこちと走り回り、それでもお兄さんたちに混ぜて貰っていることが嬉しくて、本人はいっちょ前に楽しんでいるのです。

 

それでも遊んでいる子の中の一番小さい子から、捕虜として捕まえられることがあります。

 

そんな時は「いやいやタケちゃんは捕まえんで良いんじゃ、タケちゃんこっちにおいで」などと言って自由にさせます。

 

ふくれている子に小さい声で「タケちゃんはアブラムシだからな」と言うと納得して機嫌が直ります。

 

一番小さな子もつい最近まではアブラムシだったから、ことの次第は判っているのです。

 

子供たちの言うアブラムシとは、まだ小さ過ぎてルールを解らせるには無理だから、とにかくお守りを兼ねて一緒に遊んであげる子供のことなのです。

 

そしてそのアブラムシの歴史は古く、その時リーダー格の子供にしても、幼稚園児まではアブラムシとしてお兄さんたちに遊んで貰っていたのです。

 

そして皆に守って貰っていたアブラムシがまた大きく成り、次のアブラムシの世話をするようになるのでした。

 

その内小さな子供のお母さんが帰って来て「ヨッちゃん、皆もありがとう」と言いながら小さな子を呼びます。

 

小さな子はお兄さんたちに遊んで貰った興奮が冷めやらず、お母さんの手を握り、如何に楽しかったか話をしながら帰って行きます。

 

 

わたしの子供の頃、そんな自然な風景が近所の道端で良く見られたのですが、今ではどこにもありません。

 

子供会の無い町内も多いようです。 当然もうアブラムシのことなどは、知る人も居なくなっているでしょう。

 

そして当時のアブラムシも皆、後期高齢者に成ってるのでしょうね。

 

今日の新聞に、以前わたしが書いた「行商のこと」の中の一小学校の生徒数が、現在21名とありました。

 

あの広大な小学校に21名が学んでいるのかと、朝から驚いてしまいました。

 

日本はどこへ行こうとしているのでしょうかね。 まさか、平和とは人口減少への道標、などと言うことは無いのでしょうけど。

 

 

もう暫くしたら中国春蘭が咲き始めます。 毎年まず香りが漂ってから気が付くのです。