最近は「遠くて浅い海」ヒキタクニオ・大藪賞と、「熊の敷石」堀江敏幸・芥川賞を読みました。
「遠くて浅い海」の方は、大藪晴彦賞らしく、消し屋と呼ばれる殺し屋が主人公ですが、出だしはテンポが良いものの、途中で飽いて来そうな感じでしたが、どうにか読み終えました。
「熊の敷石」の方は、「砂売りが通る」「城址にて」の三部作ですが、全編フランスのノルマンディー付近の田舎の友人を訪ねた日本人が主人公となっていまして、特にストーリーの無い抒情詩的な内容になっています。
時々このような空気感の小説が芥川賞作品にはありますが、わたしはどちらかと言えば好きな方で、特にこのような小説は、「遠くて浅い海」のようなハードボイルド調の作品を読んだ後ですとか、また出張中の列車の中やフェリーの中で、ゆったりとした気分で読むのが善いのですね。
さて次は藤沢周平さんの「海阪藩大全(上)」を読み始めました。 例により各種受賞作品読書習慣を継続中ですから、図書館では本の題名より肩に張られた受賞インデックスを目当てに本を探しています。
それで直木賞の活字を先に見出したのですが、題名を見ると「海阪藩大全(上)」となっています。
藤沢周平さんの本は、15年前に亡くなった蘭友が元気に図書館でまだ働いていた時期ですから、約18年ほど前に集中的に読んでいたことになります。
最初に読んだのが「暗殺の年輪」だった記憶がありますが、藤沢さんの本はほぼ全て読んでいる筈ながら、それでもこの「海阪藩大全」と言う名に記憶は有りませんから借りて帰ることとしました。
前記の二冊の本を読み終えて、さてと「海阪藩大全(上)」を開いてみましたら、これは全集形式で最初の作品が「暗殺の年輪」となっています。
藤沢さんは「暗殺の年輪」で直木賞を受けていた筈ですから、ちょっと考えれば判りそうなものなのですが、そこらは相変わらずの良く言えばのアバウトさで、ひよっとして何か新しいものが収められているのでは・・・、位の軽い気持ちで借りて帰ったのでした。
そしてこれも何かの縁と、この際18年振りかに藤沢作品を読み直してみようかとなりました。
最初に藤沢さんの作品を読み始めた時は嬉しかったです。 これで暫く読むべき本を探さなくても良くなった・・・、随分多くの小説が後に控えていますから、まるで宝の山へ入り込んだような気分に成ったものでした。
わたしにとって宝の山は今までも幾つかありましたが、一通り読み終えると、そうなかなか次が現れることもありません。
宝の山その一は、シートン、その二は、ジョン・スタインベックでして、同じくその付近に、五味川順平、その四は、イャン・フレミング、その五は、吉村昭、その六は、司馬遼太郎、その七が藤澤周平そして山本周五郎、池波正太郎へと続いて行きましたが、その間には約60年ほどの時間が流れているのです。
そしてわたしにとっての、その後の宝の山は実は無いのです。 いろんな作家の本を読み齧っていますが、何れも数冊で止めているのですね。
その勢で、多くの作家の本を読んできている、ということは言えそうです。
それでもやはり、宝の山のほうが良いですね。 安心して次の本を借りて帰れる。 満足してまた次を読める、ということはありがたいことです。
しかし今後はなんとなくもう次の宝の山は無さそうです。 そういう意味で受賞作品専門読書は苦肉の策のようなものなのですね。
さて「海阪藩大全」で、夢よもう一度となりますでしょうか。 多分そんなに上手くは行かないような気もするのですが、どうでしょう。
「暗殺の年輪」から読み始めましたが、やはり良いですね~~。
硬過ぎず柔らか過ぎず、情緒があり教養もありストーリーに深みがあり、藤沢周平さんの世界が感じられます。
また18年前の頃に戻れそうです。
