最近は二冊の本に恵まれました。
一冊は宮尾登美子さんの「一絃の琴」で、もう一冊は青山文平さんの「鬼はもとより」です。
これらも各種受賞作品読書習慣の繋がりで、前者は直木賞、後者は大藪賞です。
まずは宮尾登美子著「一絃の琴」ですが、これは大作と言えるものでした。
宮尾登美子さんの本は以前一度読みかけたのですが、何の本だったのか、如何にも女性作家の作品といった趣が強く感じられて、止めてしまっていました。
わたしは以前も書きましたが、長年女性作家の本は、山崎豊子さんの本以外自分には合わないのだ、との思いが強く有り、手に取ることもまず無かったのです。
それでも以前読んだ宮尾作品は、弟の娘からのメールで「今宮尾登美子さんの小説を読んでいます・・・」とあったことから、それでは・・・との思いで釣られて読み始めたのですが、文体から途中挫折してしまっていたのです。
しかし今度の受賞作品読書習慣を始めましてからは、複数の女性作家作品と出会いまして、楽しく読めています。
やはり受賞作品の力なのでしょうか・・・。 わたしでも読める女性作家の本が現在まで数冊ありました。
「一絃の琴」の内容は、幕末から始まります。 こんな所も読み始めとしては入り込みやすかったですね。
一人の苗と言う名の少女が、屋敷に来た旅の一絃琴奏者の演奏を聞いて、涙を流すほどに心を打たれます。
その後は、苗の一代記が丁寧に語られ、またその苗の後継者とも思われる蘭という名の女性の、これまた一代記が後半語られるのです。
二人の女性の一絃琴に惹き込まれた生き方は、わたしでも読んでいて途中飽くことのないものがありました。
わたしがこの小説に惹き込まれた要因の一つには、やはり一絃琴という楽器の存在があるようです。
音楽好きのわたしとしては、どのような楽器でもそれを生きる糧として扱う人に共感を覚えることとなるのでした。
二冊目は青山文平さんの「鬼はもとより」でしたが、青山さんの本は初めて読むようでした。
1948年生まれとなっていますから、わたしより3歳年下で、わたしの弟と同じくらいになります。
ほとんど同年代と言えそうな人で、今まで縁が無かったことが不思議な感じもします。
大藪賞ですからやはりハードボイルド的な雰囲気もありますが、主題は藩札発行に伴う武士の世界という、経済小説とも言える内容です。
久しぶりに時代小説を読みましたが、ちょっと今までの時代小説とは色合いの違う内容で、新しい知識も得ながら入り込んで読むことができました。
この小説を読んで、今後も青山さんの他の作品も読んでみようかという気分になりました。
受賞作品作家の方の受賞作以外の作品については、過去にも何度か手にして読み始めたことがありますが、余り自分にとっては芳しい結果は出ていません。
同じ作家の受賞作とそうでない作品の違い、やはり何かが有りそうです。 今回は、はたしてどうなりますやら・・・。