先日はまた運転出張に出かけましたが、前出の盆栽の先生宅の近くでもありましたから、暫くぶりに寄ってみることとしました。

5年ぶりくらいでしょうか。

 

その前に寄った取引先で荷物を積みましたら、丁度昼前に成りましたから、家を外から眺めるだけで、先生には会わずに次の取引先へ行くつもりで出かけました。

 

先生の家への道中には、近づくにつれてなんとも不思議な気分が自分の胸に漂ってくるのです。

それは、わたしが28歳前から通った鍛錬場とも言える場所への道ですから、未だに通るたび、体の中から淡い挑戦的な高揚感がジワリと湧き上がってくる、そんな気がするのです。

 

国道から狭い路に入り、昔からシャッターの閉められている八百屋の前を曲がると、暫くして先生宅の前に着きます。

 

車から降り、広い庭を眺めましたが、全面に広がっていた盆栽棚が見えません。

盆栽棚の整然と並んでいたあとは、縁取りされた奇麗な花壇になっています。

~ 盆栽は・・~ 庭をぐるりと眺めましたら、有りました。

 

懐かしい昔のままの作業小屋の前に、一列の棚が作られ、数鉢の松と雑木が並べられています。

~ あぁ、流石先生はまだ諦めてはいないようだ・・・自分で手入れのできる数だけは自我を通して育てているのだな ~

 

小学生の頃から始めたという先生の盆栽は、90歳を過ぎた今でも完全には姿を消してはいなかったのです。

二人で手入れを続けた作業小屋の戸は固く閉じられ、花壇に主役を譲った盆栽たちが、その前に固めて並べられています。

 

しばし庭を眺め、ぼつぼつ行こうか・・と奥の方の玄関を見ると、一台の青い電動車椅子が見えました。

そういえば道路までの足元には、幅1m程コンクリートが段差無く張られています。

~ う~ん、これは姿を見られないようにしなければ・・先生が無理して家から出ようとしたら大変だ ~

心は残りますが、すこし急いで車に乗り、先生宅を後にしました。

 

途中ふと、~ そうそう以前訪れた時は、先生と名古屋へ行った時のことが話題に成って、帰り大雪に成った関ケ原から、東名名神をタイヤに合わないタイヤチェーンを巻いて、時速14kmで何時間も走ったことなど話したものだったな・・~

 

二人で笑って話したことが思い出され、自分で一人笑いをしながら、~ 何時かまたゆっくりと会って、いろいろと昔話をしたいものだが、そんな時が来るのかなぁ・・~ などと思いながら、次の目的地へと運転して行きました。