ようやく「サル学の現在」を読み終えました。

毎日1時間程を読書時間に当てて、17日程で読み終えたようです。

698ページの本ですが、わたしとしては早く読み進めた方の本だと言えます。

 

しかし、実はかなりな部分読み飛ばした所があります。

それはサル類の生態関連の記述とは離れた、生化学の分野に属する事柄でして、具体的には遺伝学に関連する事柄なのです。

DNA関連ですとか、タンパク質内のヘモグロビンα鎖、β鎖と電気泳動装置、アミノ酸配列、等々と言われますと、もう頭から理解する気は無くなりますから、読み飛ばして行きました。

そしてまた案外そのような内容部分は多く、本の中の5~6分の1位は占めていたようでした。

 

読後、結果的にわたしの最も期待していた内容はどの程度書かれていたのか、となりますと、余り満足するものではなかったと言えるようです。

以前書きましたが、わたしの子供の頃からの疑問は、人間の暴力性の存在理由なのですが、この「サル学の現在」は、あくまでもサル学に関しての詳細に尽きていまして、冒頭の河合教授の「・・・・サルにまで立ち返って人間性の根源を調べてみにゃならんと思った」との言葉の、前段の部分までしか、この本の中には収められていなかったのでした。

 

しかし参考に成った記述は多くありました。多くありましたと言いますより、膨大なものが有りましたと言うべきだろうと思われます。

それらを一々ここに書きましても、余り意味がありませんが、最も意外に感じたことは、チンパンジーやゴリラの子殺しの件と、カニバニズムの件でした。

動物間での、同種殺しは多くの例が有ることが検知されていますが、人間以外の霊長類の中でも多くの例があることが詳しく述べられていました。

 

そして直接に人間社会の戦争などの集団行為に繋がる記述は、僅かに「挨拶と乱婚で逃走を避ける」という項目の中での 

 

伊谷教授「オス同士のアライアンスというのは、実は、維持がそう簡単ではない、集団の成員が、みんなでそれを維持しようと絶えず努力していないと、こわれてしまう。チンパンジーの社会でも、アライアンスがこわれて、オス同士が闘争関係に入ることがあるのですが、そのときは殺し合いになることさえある。そういう場面を見ると、アライアンスはみんなの努力によって保たれている表側なのであって、実はその裏にある激しい拮抗関係が、本質的な関係なんだということがわかります」

 

立花隆「チンパンジーの集団と集団が衝突する時も、ものすごい闘争になるようですね・・・・集団と集団のあいだには、基本的にアライアンスはないわけだから、ゴンべでは一つの群れが、他の群れを攻撃して全滅させた事例があるそうですね・・・」

 

これらの記述が代表されるのみのような感じがするのでした。

そしてこれらの事柄の、如何に過去から現在に至る国際間の人間関係に似ていることでしょうか。

 

そんなことで、わたしの子供の頃からの疑問の解明は、またまた先延ばしとなりました。

そしてまたふと考えたことは、わたしがその問題解明の場面に未だに行き当たらない原因は、わたしの勉強不足にもありますが、そのような問題は、元々世界中のどのような研究機関でも研究はされてはいないのかも知れない、ということです。

 

いやいやそんな筈は無いと思うのですけど・・・。

 

今日の新聞に「米シンクタンク『戦争研究所』は・・・」との一文がありましたが、そこでは戦争の表層面以外に、その起源に至るまでの研究も、どこまでか、なされているのでしょうか。

また世界中の大学の中では「戦争学」なるものが存在している所も多いと聞いていますが、霊長類へまで立ち返っての研究は・・・と、つい考えてしまうのです。

 

それはそうと「『サル学の現在』の現在」という本は有るのでしょうか。

今後また立花さんのような方が出てこられないと、なかなか難しいことでしょうけど。

 

さて次は何を読みましょうか。 暫く立花隆さんの本を続けて読んでいきたいとも思っています。