「激しいビートに乗って踊る」のは橘の代名詞かと思っていたが、橘亜種の出雲商業や松江商業は別にしても他にも同じような高校があるのに気づいたのは何時の頃か?

同じようだけど、どこか違う、何だろう?

 

大西学園

モットーは「愛一杯,夢一杯」で何処かで聞いたような・・・・

17分から始まるSING SING SINGは橘のコピーだけれど橘の了解は取っていたと思う。前にクラとスーザが二人で橘のコピーを「やってみた」動画があった、多分この時に「私らも出来るんじゃあない?」でレパートリーに入れたものと推測。

 

ここはフラフープ回しやら縄跳びの中での演奏などなんでもやってみる面白い所。

ダンスも上体を大きく動かして見せるのが特徴か、ステップの妙味は無くあまりお客様目線と言うものを意識していない気がする。

 

ここのコメントに次のようなのがあった。

@user-km9ik8rp7t 3 年前

見ろよ!大西の踊り吹きって言うんだぜ ダンプレとも橘とも違うんだ。

 

そう、その違いが知りたいんですよ。

 

国本女子

ここも殆んど同様でフォーメーションと言うものを考えないで個々が踊っているが全体としてはピシッと決まらず何だかなあ・・・

 

 

札幌国際情報高校

ダンスとプレイ通称「ダンプレ」と称してコンクールとは無縁の学校。所謂座奏を探したが見つからない、毎日踊っているのかもしれない。部員数が150名近いので活動も学年単位で(勿論2,3年生とか全学年全体というのはあるが)所謂上下関係というものがない理想的な部活かもしれない。

タイプとしては京都橘に最も近いと思える。

 

 

一見すると素晴らしいがもう一度みると所々気になる所が・・・・・

 

これら3校に共通して言えるのは動きが完全には揃っていないということ、微妙なずれが違和感をもたらす。1cmのずれも1度の角度の違いも許さない京都橘の動きとの差は大きい。

何故違うのか?恐らく体幹の強さに起因しているのではないか。毎日毎日キープと呼んでいる体幹トレーニングを繰り返して作り上げた身体で初めてあのパフォーマンスが可能になっている。

さらに言えば構成の妙である、当たり前のように見てきた橘の演技だが、SITを見ると何故ここでこの振り付けになるのかが分からない。改めて橘の構成係の凄さに気づかされた。

京都橘が「振り付け係」と呼ばずに「構成係」と呼んでいるのはこの違いを意識していたのだろう。因みに歌番組でダンスの指導者は「振付師」と書かれている。

 

付け加えれば近年の橘はこの3校のような上体を大きく動かすことは止めた。音楽重視の為だがその代わりステップに重点が移った。200以上あるというステップの足技はコントラスト絶妙の衣装により、より華やかに見せてくれる。

 

自分たちが楽しむのはアマチュア、お客さんを楽しませるのがプロと定義すれば橘のみがプロ(意識を持っている)とも言える。これはあくまで違いを探しているだけで良し悪しを言っている訳ではない。どの高校も自分たちの目指している所がはっきりしている素晴らしいバンドだ。

 

と言う訳で、何となく似ているようだけど全く違うものなのだ。

 

これで分かってくれただろうか、大西学園のファンの方?

 

uptown funkの聞き比べ

 

オリジナル

 

 

武生商業

オリジナルに一番近い

 

札幌国際情報高校

 

京都橘高校

 

 

好みにより分かれそうだけど、京都橘のカッコよさ、美しさは際立っている。

 

予てから気になっていたのだが京都橘だけは演奏時間が極端に短い。思うに演技構成を重視した罠のように思えてきた。フルバージョンで演奏すると必ず繰り返しが出てくる、これを避けるために短縮版としているのではないか。繰り返しを無くすことで観客の目の前には常に新しい景色が次々と見えてくる、これが橘の魅力(魔力)であり一度捕まったら離れられない蜘蛛の糸なのではないだろうか。

 

このように考察してくると「橘」の「橘」たる根幹は構成係が引き継いでいると思えてくる。顧問やコーチさえもサポートに回る京都橘のマーチング、自主的と言われる部活動。その源を探ると2000年の宮コーチの急逝に始まったのではないか。指導者を失ったこの時「自主的」にすることを促され、苦しみながら作ってきたのが今の体制だろう。

 

宮コーチが生きていたならばその指導に従うだけで今の橘の姿は無かったかもしれない。

神様も粋な計らいをと思うけれど、あの逆境を乗り越えた橘の部員達は改めて凄いと思う。