昨日、MDMAとLSD所持で逮捕された沢尻エリカ容疑者が保釈されましたが、このエリカ嬢逮捕には<「桜を見る会」から目を逸らす為!>という陰謀論も喧しく論じられました。

 

 兎角、政治の世界や経済界、そしてヤクザの世界には陰謀が張り巡らされるのは世の常です。CIAやKGBなどがその膨大な資金や人材を投じて世界的な陰謀戦争を繰り広げていた様に、今や巷の隅々で大小の陰謀がチョロチョロしているのです。

 

 そこで、私が今日記事にする最新陰謀説。

 

 「北朝鮮危機が盛り上がると、森友・加計問題が吹っ飛んだと同じように、「桜を見る会」で噴出した各種疑惑案件も吹っ飛んでいく!」というもの。

 

 どう言うことかというとー

 

 今、朝鮮半島には新たな紛争の影が俄にさしかかっています。

 6日の午前中、アメリカ軍の偵察機RC−135Sが沖縄の嘉手納基地を飛び立ち、日本買いを越えて朝鮮半島の監視飛行に向かったそうだ。

 

 

 

(中央日報 2019/12/6 16:03)

『米国が韓半島(朝鮮半島)上空に核心偵察機のRC-135S(コブラボール)を飛ばして対北朝鮮監視に入った。昨年の6・12シンガポール米朝首脳会談後に廃棄に入った北朝鮮の東倉里(トンチャンリ)ミサイル発射場で新たな活動が確認されたからだ。

 

6日(現地時間)の海外軍用機追跡サイト「エアクラフト・スポット」によると、この日午前、コブラボール1機が沖縄の嘉手納米軍空軍基地を離陸して東海(トンヘ、日本名・日本海)に向かった。

 

コブラボールは高性能電子・光学装備を備えた偵察機で、弾道ミサイルの電子信号と軌跡を追跡することに特化している。全世界で米軍だけが3機を運用するほど米国の核心偵察資産に挙げられる。

 

軍当局者は「今年、主に短距離弾道ミサイルを発射してきた北が、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射まで敢行する可能性があり、米国が集中監視に入ったようだ」と述べた。

 

これに先立ち米CNNは5日、「北朝鮮の西海(ソヘ)衛星発射場で以前になかった動きがみられる」とし「北朝鮮が人工衛星打ち上げやICBM発射のためのエンジン燃焼実験を再開する可能性がある」と報じた。

 

また民間衛星会社「プルネット・ラボ」が撮影した衛星写真を掲載し、「東倉里ミサイル発射場の前に大型コンテナが置かれている」と指摘した。

 

ミドルベリー研究所のジェフリー・ルイス東アジア不拡散プログラム局長は「これまでなかった大型コンテナの登場は、北朝鮮がエンジン燃焼実験を再開する可能性があることを示唆する」とし「これは今後、長距離ミサイル発射や人工衛星打ち上げに踏み切る可能性があることを見せる深刻な兆候」と述べたと、CNNは伝えた』

 

 

 

 今年になって北朝鮮は短距離ミサイルを相当数打ち上げ、実験を繰り返しました。

 この行為は例え短距離であっても弾道ミサイルの打ち上げは国連制裁違反だったにもかかわらず、トランプ大統領は北朝鮮との没交渉を懸念しているのか、<短距離ミサイル位どうと言う事は無い>と言った態度をとり続けたのです。

 

 ところが今月3日のイギリスで開かれたNATO首脳会議に出席したトランプは今までの愛想笑いを吹き飛ばし、北朝鮮の非核化が進まず核開発やICBMなどの発射などの可能性が察知されれば軍事行動に出る可能性もあると示唆したのです。

 しかも、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党委員長についてー

 

 「本当にロケットの打ち上げが好きなようだ。だから私は彼を『ロケットマン』と呼ぶ」

 

 ーと述べた。

 

 この発言に対して、北朝鮮の総参謀長は失望と不快感を示し、特に金正恩委員長がかなり<ロケットマン>という渾名にカチンと来ていることも語ったようだ。

 

 思い帰せば2017年に起きた朝鮮半島危機。

 

 あの頃、金正恩は弾道ミサイルの発射を繰り返し、核実験を行い、核保有国としての地位を確保するために汲々としていました。

 そうした動きに対して、イランと同様に<ならず者体制だ>と指摘していたトランプ大統領は国連の場で「ロケットマンが自殺行為の任務を進めている」という最大の侮辱を込めた渾名で金正恩委員長の事を呼んだのです。

 

 今、北朝鮮の金正恩は非核化交渉に戻る様にアメリカに対して猛アピールしています。しかも月末までに動きが無ければ北朝鮮にも考えがあるぞ!と言わんばかりに、クリスマスプレゼント二択を迫った訳です。

 つまり、Aはブラックプレゼント。Bはホワイトプレゼント。吉となるか凶となるかはトランプ大統領次第だというボールを投げたのです。

 

 そうした流れの中でのトランプの「ロケットマン」発言です。

 

 私がこの流れに<陰謀説>を見るのは、今の状況が2017年と非常によく似ているという点です。

 この年、我が日本で何が起きたかと言えば。

 年明けから日本国内では安倍総理夫妻の付き合いがある人物への国費が投じられるという大疑惑が盛り上がっていました。

 

 「森友学園に対する国有地法外な低価格の払い下げ問題」と、長年の付き合いがある友人の加計孝太郎氏が理事長である「加計学園」に対し52年間どこの大学にも認めてこなかった「獣医学部新設を忖度と官僚の積極的な依怙贔屓で認める」という特別便宜疑惑です。

 

 共に、安倍総理夫妻の知り合い、お友達が絡む不可解な国費支出の案件でした。

 そして、正にこの問題でニッチもサッチも行かない状況にあった安倍総理にとって一点突破口となったのが、<ロケットマン>こと北朝鮮の金正恩委員長と核の脅威だったのです。

 

 安倍総理は北朝鮮の脅威に対抗するためには毅然と対峙すると強弁し、解散総選挙に打って出ました。

 もはや、この時点で国民の多くは森友や加計どころではなくなりました。

 それはそうでしょう。国家のリーダーが、例え疑惑の渦中にあったとは言え<北朝鮮は危ない!日本は毅然と立ち向かわなければならない!安保体制をキッチリ固めなければならない!国民に問う!>と語りかけて総選挙に打って出たのですから、国民も気が気ではなかったのです。

 

 この作戦は見事に成功しました。言わば一石二鳥の大勝利です。

 

 そして今日の状況です。

 

 共産党が手を付けた「桜を見る会」の疑惑は当初こそ、単なる予算肥大化の批判だったものが、やがて前夜祭の経費を政治資金で賄ったのではないかと言う疑惑に膨らみ、更に招待者の中に反社勢力が紛れ込んでいたという新たな疑惑に転じ、社会的な大問題となった詐欺事件、ジャパンライフの代表を招待したのは安倍総理ではないかと言う風に、問題は膨らむ一方です。

 

 そして今朝のニュースでは35年前に安倍総理のお父さんである安倍晋太郎さんがNY外遊をした際、秘書だった安倍晋三さんもジャパンライフの山口元会長も同行しており、今まで個人的な面識は無いとジャパンライフとの接点を否定していた安倍総理の言葉は再びブーメランの様に己の首元に飛んできそうな気配です。

 

 で、です。

 

 アメリカのトランプ大統領も弾劾手続きが刻々と迫っています。

 彼にとって今の状況は、北朝鮮の金正恩と笑顔で握手をして関係改善を図った歴史的な大統領という声よりも、頭のおかしなロケットマンにきっちりと躾を行う世界のトップリーダーという強い姿を見せつけた方が遙かに自分にとって有利になると見るべき状況では無いかと。

 もう一つ、中国の王毅外相が先日韓国を訪れ散々外相を脅しまくっていました。

 韓国内に中距離ミサイル基地を造りたいアメリカの意向に先んじて、曾ての宗主国の尊大さと、現在の経済的な金主的立場を十二分に背負っての強面外交でした。

 

 そうした姿を見たトランプが良い気分の筈がありません。

 

 となると・・・これからクリスマスにかけて朝鮮半島情勢は俄にキナ臭くなるのでは無いかと思います。

 

 もし、北朝鮮が再び核開発の歩を進め長距離弾道ミサイルの発射実験を行い、日本列島を越えて太平洋にミサイルと打ち込む威嚇行動をとった際、果たして今度はトランプ大統領がどんなカードを切るか。

 

 そして我が日本の安倍総理は徐々に我が身に迫る<桜の怨念>を払拭するため、1月の通常国会で冒頭解散を行い、アメリカと共に北朝鮮の核開発に対し断固として立ち向かうという大義名分で総選挙を行うか・・もしれません。

 

 これが私の陰謀説です。

 

 こうした陰謀説が現実のものになるかどうかは、24日に金正恩がどんな態度表明をするかで見えて来るかも知れません。