昨日はZOZOチャンピオンシップでタイガーが期待通りに優勝を果たし、サム・スニードの生涯優勝記録82に並び、正に生きるレジエンドとなりました。
国内ツアーでも、海外に於いても、タイガーの強さは他を圧倒する迫力と実力を見せつけてくれますが、そんなタイガーを最後の最後まで追いかけ、もしかすると逆転するかもと思わせてくれたのが松山英樹選手です。
2014年からアメリカを主戦場として戦い、PGAツアーで既に5勝の松山が日本を代表する選手であることは世界中の多くのゴルフファンが知るところ。
今回のZOZOチャンピオンシップを見ていて思ったのは、彼が日本人選手でありながら石川遼や今平など国内賞金王を狙う選手よりも確実に強く、PGAツアーの一員だな、という実感を得たのは私だけでは無いでしょう。
つまり、世界屈指の強豪が集うPGAツアーで戦い続けるゴルファーは日本の小さなゴルフ場でシノギを削る日本人選手よりも磨かれ、強くなると言う証明では無いかと思うのです。
そして、それは女性選手にも言える事です。
今日のテーマは松山選手では無く、全英女子オープンで優勝して以来私が注目している渋野日向子選手についてです。
実は彼女が今週末から始まるLPGAツアー、台湾で解散される「スウインギングスカート選手権」に緊急参加する事が決まったのです。
そして、その理由がLPGAに参戦している自分と同級生の畑岡奈紗選手の強さを目の当たりにしたからだそうです。
(時事通信 10/29 5時45分)
『ゴルフの全英女子オープンを制した渋野日向子が米ツアーのスウィンギングスカート台湾選手権(10月31日~11月3日、台湾)に主催者推薦で出場する。メジャー覇者となった後では初めての米ツアー参戦。その背景には、海外挑戦に対する大きな心境の変化があった。
メジャーどころか、海外での初めての試合だった全英女子オープンで優勝した渋野。帰国直後は「日本がいい」と米ツアー挑戦を否定していた。
そんな考えに影響を与えたのが、難しいコース設定の多い米ツアーを主戦場にする畑岡奈紗の存在だった。日本女子プロ選手権で畑岡は、深いラフなどを苦にすることもなく、2位に8打差の圧勝。予選ラウンドを渋野と同組で回った日本女子オープンで、国内メジャー連勝を飾っている。
同学年の畑岡とのレベルの差を実感し、厳しい環境に身を置く意義に思いをはせた。「海外で自分をもっと強くしたい。海外の選手とコミュニケーションを取りたい」。向上心が芽生え、将来的な米ツアー参戦への興味が湧いてきた。
米ツアーは世界ランキングの算出基準となるポイントが高く、好成績を残せば東京五輪出場権争いで優位に立てる側面もある。来季は日本ツアーをベースに、全英制覇で出場権を得た海外メジャーなどにスポット参戦する見込みだ。
その第一歩となる台湾での試合。「今の実力でどれぐらいの成績が出せるか、挑戦しなければいけない」。畑岡は体調不良で欠場するが、自身を含めて今季メジャー覇者が勢ぞろいする舞台で腕を試す』
渋野選手にとってはとても良い事でしょう。
確かに、日本国内の女子ツアーで彼女の姿を見たいと思っているファンの人達には寂しい事かも知れませんが、全英女子オープンで“破格”の優勝を遂げた渋野選手が成し遂げた快挙をタダのラックにしないためには、更に技術的にもメンタル的にもより高見を目指す覚悟が必須だろうと私は思います。
以前に本ブログではキャディに関する記事を書きました。
渋野選手のトレードマークは笑顔ですが、その笑顔を自然に浮かべるためには一つ一つのプレーで納得の行くゴルフが出来、バーディーやイーグルなどを獲得する必要がある筈です。
他の選手に置いて行かれ、成績も芳しくないのに笑顔を浮かべているだけではただの愚か者になってしまいます。
畑岡奈紗選手が国内ツアーに舞い戻り、メジャー試合で圧倒的な強さを見せつけて優勝した事が渋野選手の米ツアー緊急参戦の動機になっていると、時事通信では伝えていますが、それは当然過ぎるほど当然の成り行きです。
およそプロを名乗り、他の同世代の選手と競い合いながら頂点を目指す者であるならば、目下最大のライバルであり、しかも一歩も二歩も先を行く結果を残す畑岡選手に追いつき追い越そうとするのは自然だからです。
問題は、彼女の<覚悟>とその覚悟を具現化させるための<サポート態勢>でしょうね。
第一は、本ブログで先に記事にしましたが専属キャディの問題。
単にバッグを担ぎ、話し相手になってくれるのではなく、自分の読みと比較出来、時には悩んだ時に的確なアドバイスをくれるプロの優秀な専属キャディさんを一刻も早く見つける事です。
第二は、ゴルフクラブなどの必要不可欠な道具を常にチエックしサプライしてくれるスポンサーのサポート態勢確立です。
クラブに限らず、靴や服装なども、単に見栄えやスポンサーの宣伝の為だけでは無い、運動をする上で何が最も体に負担が少ないか、動きやすいかの分析やサポートをしてくれる総合的な体制が不可欠だろうと思うのです。
つまり、渋野選手を全英だけではなくアメリカのメジャー大会でも優勝させるためのプロジエクトチーム構築こそが喫緊の課題だろうと。
いずれにしても、そうした体制は全て周囲の人々、言わば他人任せ。
最も重要な事は自分の意識。戦闘意欲、向上心、何が何でも勝たなければという圧倒的な勝負魂を持ち維持できるかと言う事にかかります。
その為にも、海外で勝負しようと決めた渋野選手はその第一歩を踏み出したんだなと評価すべきかと思います。
ガンバレ!渋野日向子選手!!