第4次安倍晋三再改造内閣の顔ぶれが揃いました。

 

 昨日の本ブログでは小泉進次郎議員が38才の若さで入閣するようだという記事を書き、彼を入閣させる安倍総理の思惑について私の偏見を書きました。

 

 こうしてみると、安倍さんのお友達がズラリと揃った感じがしますし、最前列の真ん中に立つ安倍さんには、いつしか長期政権を仕切っている“日本のドン”と言う風格を放っている気がしないでもありません。

 

 そして昨日の記事の主人公である小泉進次郎環境大臣ですが・・。

 

 目をグルリと回しながら彼の姿を探せば、最後列の左端に位置していました。

 恐らくこの位置が、初入閣で、環境大臣というポストについて周囲が認識しているところの、<立ち位置>というものなんでしょう。

 

 ですが、私は小泉大臣の入閣後初めて記者会見を行った際、彼が放った言葉に注目していました。

 以前からの持論ですが、私は政治家にとって最も必要なものは<言葉>だと思っています。

 

 この<言葉>に関して、何とも不鮮明で不明瞭な言葉を吐き続けた挙げ句に更迭された大臣はついこの前の内閣にもいました。

 政治家たる者は、自分がやりたいことを選挙区民だけでなく国民全体に広く理解して貰う必要があります。

 

 「黙って俺に付いてこい!」と語り、自らは言葉を発せず国民にも無制限の追随を強いるような政治家は今の民主主義国ではあり得ないのです。

 政治家の資質は、「自分がやりたいイメージ」を言語化して広く説明する<言葉>が無くてはなりません。

 

 昨日の小泉進次郎環境大臣は初めて記者から質問を受けた際に、かねてから知り合いだったのでしょうニコニコ動画の記者を指名し、彼の名前を含みながら福島の汚染地域で除染中の膨大な汚染残土をどうするかについて答えました。

 質問する記者の名前を呼びながら答えるスタイルは小泉議員が常日頃とっているものですが、ホワイトハウス内で大統領がバンキシャの質問を受ける際、相手記者の名前を呼びながら応答する姿にダブります。

 

 要するに、単なる「質問」vs「答え」ではない<心の通った応答>にしようという意思の表れなのでしょう。

 

 私は彼の答えた言葉に少し驚きました。

 

 実に明白に質問された状況を把握し、その問題点について明確なスタンスをとりながら心の通った答えを話したからです。

 小泉議員が震災後、被災地に毎週、同僚議員達と訪れて復興への陳情や問題点を洗い出す活動をしていたことは知っています。

 

 私がZEROで番組に関わっていた頃から、彼が被災地を訪れて活動する様子をキャスターが密着したり、櫻井君が自身の活動を含めながらインタビューをする度にその話題に触れ話し合っていたからです。

 

 昨日の記者会見では、時間は短かったものの明確に汚染残土の中間貯蔵のあり方と最終処分の問題に触れていましたし、まるで30年先の政府のとるべき行動を語るが如き、正に彼が今後60才、70才まで政治活動をする上での<覚悟>の如き思いも語っていました。

 

 更には昨日の本ブログでも触れた除染した水を貯めてあるタンクが既に満杯状態で、いずれ海に放出せざるを得ないだろうという前環境大臣の“個人的見解”に触れ、彼は福島の漁協の組合長の名前を出しながら、彼らの8年間に渡る苦労を語りました。

 

 つまり、この質問に関してはー

 

 <現実問題として限界に達した状況は既に目の前に迫っており、政府としても何らかの手を打たなければならない。しかし、現場で8年間も苦労している漁協などの関係者には死活問題。言わば二つの状況の板挟みの中で環境大臣に任命された自分は真摯にこの問題に取り組みたい>

 

 ーという言葉しか語る術は無いのです。

 

 昨日の会見を見ていて、安倍総理が彼を環境大臣に任命した狙いが正にそこにあったなと確信しましたし、同時に小泉純一郎という一人の政治家が38才にして、国難とも言える難問題と直面する第一歩を踏み出したんだなという印象を持ちました。

 

 今後、被災民にとっては更なる苦悩を重ねる決定を小泉大臣が下さなければならない時が来るでしょう。

 しかし、どんなに苦悩が伴う決定事項であっても、彼が被災民に寄り添う覚悟を持ち、単なる上辺だけで無い言葉を語り続ければ、必ずや人々は分かってくれるのではないか・・とも思いました。

 

 昨日の大臣会見で小泉進次郎新大臣が語った言葉について感じた事です。