昨日21日、日本の河野外相は韓国のガン・ギョンファ外相と会談しました。

 

 河野さんは会談後の記者団との会見で、<外交当局間の協議を続けることで一致した>と語っていましたが、相変わらずの建て前言葉に、私個人は「何を言ってるんだろうか?」とクビを捻っていました。

 

 すると、相手のカン・ギョンファ外相はー

 

「一方的な貿易報復措置を排除し、域内に広がる不確実性を取り払わなければいけない」

 

 ーと、日本政府の対韓輸出規制を批判し、実際には両外相の会談で何等進展が無かったであろう事が垣間見えたのです。

 

 何よりも、会談前に撮影された二人の写真を見れば一目瞭然でしょう。

 日本の河野外務大臣は愛想笑いを含んで撮影に臨んでいるのですが、一方のカン外相は顔を背け、曾て日中関係が悪化した際に安倍総理と習近平主席がツーショット写真を撮った時を思い出させる“イヤイヤ顔”を見せています。

 

 握手はすれど、誠意のこもっていない手の平タッチ。目を合わせずに、<本当はお前なんかと会いたくは無い>と誰にも分かる様な表情を創る。

 

 昨日のカン・ギョンファ外相の表情は正に習近平氏を真似た挨拶の仕方でした。

 

 ところで、今日のブログは河野外務大臣について最近私が感じているクレームを二、三上げてみたいと思います。

 

 第一は、昨日の日韓外相会談についての報告ですが、実に無意味な内容の無い報告をしている事に失望しています。

 外務大臣は国同士の問題が発生した際、陣頭指揮を執り、時には直接相手国の代表者と会って交渉を行い国益を守る責任者です。

 

 ところが、彼の態度や言動は何と言うか、大人としてのブレ無い大物感が無いというか、その時々で発言する言葉が危なっかしいというか、とにかく厚い信頼を寄せられないのです。

 

 ちょっと前には在日韓国大使に対して、<ちょっと待って下さい、無礼です!>などと相手の話を遮って叱責したと思ったら、昨日は本来であれば毅然とした態度と表情で相手に向き合うべきなのに、何とも中途半端な笑いを浮かべていました。

 

 感覚的なものなのですが、何とも危なっかしいというか。

 

 第二は、本当に日韓の重大案件を交渉する気があるのか、と思える態度です。

 今回の会談を行ったのは中国の北京。先日のブログでも書きましたが、その中国は日本の自衛艦をターゲットとして攻撃訓練を行った事が報道されたばかりです。

 政府はその中国に対して何の抗議パフォーマンスをしなかった訳ですが、外交交渉の責任者である外務大臣が当の中国政府の窓口となる報道局長と一緒にニヤけて自撮り写真をとるなど、何を考えているのかと思うのです。

 

 中国政府は今、香港の人々が「逃亡犯条例改正案」を廃案にせよ!と抗議のデモを続けているにも関わらず、その要求を拒み続けている上、武装警察軍団を待機させて天安門事件の再来を危惧させているわけです。

 

 日本が、日本の外交代表者が、いつも憎々しげに日本批判の記者会見を仕切る報道局長の女性と、何だか訳あり風にも見える<自撮り写真を撮っている場合か!?>と言いたくなるのです。

 

 つまり、一時が万事です。

 

 北方領土問題の交渉時には記者からの質問に答えず、傲慢無礼な態度をとってはすぐその後で謝罪するなど、家業が政治家の3代目という人が本当に外務大臣としての任に相応しいのか疑問に思っています。

 政府中枢に就く前には立派な事を自身のブログやツイッターで発信続けていたくせに、大臣になった途端に以前と全く違う方向を見始めたと感じている人は少なくないはずです。

 

 そんなこんながあっての、今の日韓外相会談です。

 

 敢えてカン・ギョンファ外務大臣の様なミエミエの苦虫顔のパフォーマンスを見せろとは言いませんが、もうちょっと<日本は揺るぎないなあ>というか、<流石に堂々としているなあ>と相手の韓国の人々や世界の人々が見て感じる様な表情や態度をとるべきでは無いかと・・思ってしまいます。

 

 外見をとやかく言うのは失礼かと思いますが、今の河野外務大臣の緊張した際の風貌は、まるで曾てバラエティ番組で一世を風靡した“クシャおじさん”の様な顔つきになってしまう気がします。

 

 どうにも緊張感が漏れてしまう気がするのです。

 

 “顔つきに文句を言われてもなあ!”と河野外相は言うでしょうし、その通りなのですが、やはり国家同士がガチンコでぶつかり合う交渉事や、現在の日韓関係における緊張したシーンにおいては、担当大臣の表情というのは交渉を左右する重要なファクターの一つになり得るのではないかとも思います。

 

 王の顔、総理の顔、大臣の顔・・と言うのは、あるのではないかと。