昨日、投開票された参議院選挙。皆さんは投票に行かれたでしょうか。なんと、有権者の半分以上が投票をしないという史上2番目の低さだそうです。

 若い人達は自分の未来に重大な影響を及ぼすことになる国会議員を選ぶ選挙なのに何故、こうも無関心なのかなあと思いますが、これが現実であり、国民と呼ばれる多くの日本人の意識なんですよね。

 

 少なくとも、棄権した人は政治家によってどんな不利益を蒙ることになっても文句は言えないという事だけは覚えていて下さい。

 

 ところで、昨日は午後8時から選挙特番を見ながら個人的に関心のあるポイントを重点的にチエックしていました。

 私は以前、テレビ朝日と日本テレビの選挙特番に関わった事があり、特に「ZERO選挙」に関してはついこの前まで村尾キャスターや櫻井君などと共に番組作りをしたという感覚がありますので、どうしても日本テレビ中心に見ていました。

 

 いわでもがなのこと。

 実は自分の投票行動に関しては過去、民主党に投票して鳩山政権、菅政権を生み出した1票の責任を感じ一度だけ投票相手の名と反省を口にしたことがあります。

 つまり、民主党に投票して責任を感じていると。

 

 今回二度目となる投票先の公表ですが、私は比例では「れいわ新撰組」の名前を書き込み投票しました。

 

 昨夜、「れいわ」は特定枠でALS患者の舩後候補、重度身障者の木村候補の二人が見事当選を果たし、自分の票が死に票にならなかったことを安心すると共に、日本の<国会の中が変わる>事になって良かったと思いました。

 

 二人とも車椅子でなければ移動出来ません。

 特に舩後さんは重度のALS患者さんです。

 

 私自身、かつて山陰放送の製作した「生きることを選んで」というドキュメンタリー番組に参加した事があります。

 「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」は徐々に筋肉のチカラが衰え、モノを食べることも、水を飲むことも困難になり、話すことも介助や機械無しでは出来なくなる難病です。

 

 つまり、今の国会の中では車椅子の移動は可能であっても、そうした重度の障害を持つ国会議員が議事堂内に来て、活動をすることを全く想定していないので、彼らの介助から発言方法に至るまで大きな改良を余儀なくされるわけです。

 

 恐らく健常者である議員達の中や職員の中には口にこそ出さないけれど、<なんと厄介な!>と思っている者達はいるはずです。

 しかし、私達が暮らすこの日本には多くの生涯を持つ人達がいて、その患者さんを世話して苦労するより多くのご家族がいるのです。

 彼らの声を代弁する当事者が議員となり、国会で発言をすることは当然と言えば当然の事でもあります。

 

 私が番組製作に関わった「生きることを選んで」は、山陰放送の報道記者だった谷田人司さんという方の生き様を追ったドキュメンタリーでしたが、そのタイトルは当事者の谷田さんが考えたものです。

 <生きることを選んで>・・何とも重い言葉です。

 この病は難病ですが、その治療に当たっては地域の補助制度や各家庭の経済状況によって天と地ほどの差があります。

 

 つまり、病が進行した段階で自力では呼吸が出来なくなるために喉を切開して人工呼吸器を取り付けるのですが、その事を自ら受け入れる人、拒む人と別れます。

 そしてこの日本ではこの段階で自ら<死を選ぶ>人が驚くほど多いのです。

 

 何故か?

 

 家族に苦労をかけたくない!体が動かないまま死を迎えたくないと思うからです。

 余りにも切ない選択です。

 私達が共に番組作りをした「生きることを選んで」では谷田さんが自ら生きて戦うことをご家族と選んだが故にこのタイトルとなりました。

 

 それほど、ALSという難病は過酷な戦いが伴うのです。

 

 そして今回、ALS患者の舩後さんが参議院議員に当選したことは、国会の中にこの難病を抱える患者議員を迎え、その議員との共生を否応なく受け入れる事であり、正に「れいわ新撰組」代表の山本太郎君が主張していた、<生産性重視の日本のあり方を考え直す>というテーマが否応なく議論され、具現化することを意味します。

 

 本ブログでは小泉純一郎政権以降、生産性重視、改革という名の効率化によって日本中に格差が広がり、<日本的ココロ>が崩壊していったと書いてきました。

 そうした風潮を広めた原点である国会内に、その考え方と対極にあるALS患者議員が入っていくことの意味は計り知れないほど大きいと思います。

 

 昨日の選挙で最も大きくココロ動かされた出来事です。

 

 次に驚いたのは「NHKから国民を守る党」が比例で議席を確保したことです。

 

 この当選にも驚きました。

 

 かねてから、YoutubeなどでNHK批判を繰り返し、強制的に料金徴収をする現在の体制に疑問と怒りを投げかけてきた立花代表が国会に議席を確保したことは選挙放送を行うNHKとしても驚きだったはずです。

 

 どう言うか、史上二番目の低投票率だった参議院選挙にも関わらずALS患者の議員が誕生し、NHK批判の議員が誕生するという画期的に大きな出来事があったことに私も驚いています。

 

 最後に、私が事前に知っていた「ZERO選挙」での櫻井翔君と小泉進次郎君とのインタビューも興味深く見ることが出来ました。

 

 今回で5回目になる二人の対談ですが、共に38才という年齢。

 一般社会で言えば既に中堅の年齢になり、若者代表というネーミングが気恥ずかしくなっていると語っていた二人。

 私は小泉進次郎君のお父さんの純一郎さんに対してはこのブログで何度も批判的な記事を書いていますし、今、Kindleで出版している「竜頷市場(リョーガンマーケット)シリーズ 政治編①」でも日本政治と小泉純一郎氏の事は多く書いています。

 

 その次男である進次郎君に対しては大きな期待を抱いていますし、可能性を感じてもいます。

 彼が38才にして父親と同じような“人たらし術”を身につけている凄さと、政策的な充実度を常に考えている向上心に感心していますし、中でも<政治的な温度感覚>を身につけている点には最も大きな評価をしています。

 

 世界のリーダーを見回せば、40代で国家の代表になる人は珍しくない時代です。

 進次郎君は38才。次の次の総選挙で大臣ポストを手に入れてもおかしくは無いですし、総裁選に出たとしても不思議はないでしょう。

 

 櫻井君もその事は5回もインタビューをしているので重々承知の上で会話をしていたように見受けます。

 要するに、業界こそ違え共に国民的スターという<自分>を自覚する櫻井&小泉であるが故に言葉にしなくても言いたいことは分かるでしょうし、答えることも感じ取っているだろうと。

 

 そんな中でも小泉進次郎君が政治的な温度感に優れていると私が見るのは、ポストの話や今後の総裁選や総理への道が臭う質問に対しては、実に慎重に言葉を選び決して軽口にならなかった点です。

 確かに彼はまだ38才です。

 永田町には魑魅魍魎がゴロゴロいるのです。如何に国民的な人気者であっても、1歩間違えば落とし穴に塡まることはあり得るのがこの世界の恐ろしいところ。

 

 その事を重々自覚している様子が38才にして優れているなあ、と私が感じた所でした。

 

 この二人の対談は実に興味深いです。

 

 そんなこんなで、夜は更けていきました。