「火事は3分、10分が大事。選挙は最後の1日、2日で逆転できる」

 

 この言葉は、京都市長の門川大作氏が18日の夜、市内のホテルで参議院選挙の候補者の応援演説で語った言葉です。

 このニュースを見て私は驚くよりも呆れました。

 何故なら、この日の朝には上京区の「京都アニメーション」で放火事件が起き34人の尊い命が奪われた大事件が起こっているのに、どんなつもりでこの言葉を使ったのか、彼の感性が信じられないからです。

 

 

 

(女性自身 2019年7月19日20時29分)

『京都市長・門川大作氏(68)が7月18日、参院選候補者の応援演説で京都アニメーションでの火災に触れ「火事は3分、10分が大事。選挙は最後の1日、2日で逆転できる」と発言。そのタイミングを疑う発言に、ネットで非難の声が殺到している。

 

同日朝には京都市上京区で青葉真司容疑者(41)が京都アニメーションに火を放ち、33名もの命が失われた。青葉容疑者は確保時に「小説を盗んだから放火した」と話していたという。

 

その夜、門川氏は参院選候補者の応援演説に立ち「火事は3分、10分が大事。選挙は最後の1 日、2日で逆転できる」と発言した。京都新聞によると演説後、門川氏は「一般によくある標語だ。誤解があったなら、今後気をつける」と話したという。

 

翌日、改めて門川氏は「今回の私の発言は、事件について多くの方が不安や悲痛な思いを抱かれている中、不適切であり、心からおわび申し上げます」と謝罪。しかし、Twitterでは怒りの声が止まない。

 

《京アニの火災でまだ被災者が建物の中に残されているのに 火事の標語に例えて選挙演説に使って一般に使われているから誤解で今後は気を付けるとか 完全に無神経な他人事で許せない》

《一般にある標語だから云々ではなくて、それをわざわざ言うタイミングとか時勢が問題。市長なのにそれを言うべき状況なのか考える事もできないん?》

《「一般によくある標語だ。誤解があったなら、今後気をつける」という謝る気のなさそうなコメントしたり、大惨事への関心がないと分かる発言したり、大惨事への対応を支持拡大の材料に使おうとする発言をした時点で謝罪文が信用できない》

 

同社はジブリ映画「紅の豚」「魔女の宅急便」に参加し、近年も「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」「けいおん!」といった人気アニメを手がけてきた。その仕事ぶりから世界中にファンを持つため、Twitterでは「#PrayForKyoani」が世界中でトレンド入り。各国の様々な言語で祈る声が上がっている。

 

アメリカの配給会社「センタイ・フィルムワークス」が同社を支援するためにクラウドファンディングを開始。CNNやBBCもそれぞれのWeb媒体で報道し、フランスやスウェーデンといった国々の大使館もTwitterでコメントを発表している。Apple社のCEOであるティム・クック氏も19日にTwitterを更新。京都アニメーションを「世界で最も才能のあるアニメーターや夢を持った人々のホーム」と評し、日本語で《心よりご冥福をお祈りいたします》と追悼している。

 

世界中で痛ましい事件を悲しむさなかに起こった、門川氏の「火事は3分が大事」発言。そのため、こんな声も上がっている。

 

《犠牲者もたくさんいて、世界にファンがいる地元企業が、働いてる人がいる時間に社屋丸ごと火をつけられたんだよ》

《自分の足元にある財産ですよ? 伝統ある寺社が燃えていたら同じ発言をしていたのか? 世界に冠するスタジオを軽く見ていた証拠では》

《世界的に見ても大きな放火事件なんですが京都市長は分かっていないみたい》

 

08年に京都市長となった門川氏。昨年7月には京都府で大雨特別警報が出されたにもかかわらず、市内のホテルで開催された自民党・西田昌司氏(60)を後援するパーティーに参加。「市長としてその行動はふさわしいのか」と非難されていた』

 

 

 

 この門川さんという人は資料を見ると元々は京都市の教育委員会に就職し、教育畑一筋で仕事をし、後に自民党、公明党、民主党、社民党など各党相乗りで市長選挙の推薦を受けて今に至っている人物のようです。

 

 先日は、アメリカのキム・ガーダシアンが自分のブランド下着に「KIMONO」と名付けた際に、日本の伝統と文化の象徴である着物を私的に独占するなと抗議したこともあり、着物姿の彼を見て<ああ、あの人か>と思う人も多いのでは無いでしょうか。

 

 しかしながら、私は今回の件でこの人物の持つ<日本人の美意識や精神性、価値観>に関して底が浅いことが露呈したと思います。

 

 およそ想像力のある社会人であるならば、彼は京都の市長という立場ですが、こんなタイミングの時に上記の様な言葉を使うでしょうか。

 しかも古都・京都の市長にして着物を愛して止まないと豪語する人物が、その日の朝、34人もの尊い命が奪われた放火事件に思いをいたさず、誰を応援していたかは分かりませんが、参議院選挙の応援演説で<火事は3分、10分が大事。選挙は最後の1日、2日で逆転できる>などという言葉をどんなつもりで語ったのか!?

 

 そのイマジネーションの無さに呆れます。

 

 これは単なる言葉狩りという次元では無く、かつて日本人の多くがもっていた<思いやりのココロ>、<哀しみを共有するココロ>を失っている証の一つでは無いかと私は思うのです。

 

 政治家の心ない失言は掃いて捨てるほどあります。

 金こそが正義だと豪語して持て囃される風潮も今の日本に蔓延しています。

 

 政治家であるのならば、自分が語る言葉に対しては常に責任を持つべきであって、京都の門川市長が18日の夜に選挙応援で語った言葉は信じられないほど軽率と言うしかありません。

 

 本当に、悲しいほど感性がありません。