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 上の看板は今、国会で盛んに議論されている片山さつき地方創生大臣のいわく付き広告です。

 何がいわく付きかと言えば、2015年12月に出版された彼女の書籍を宣伝する目的で翌年1月に浦和駅近くの道路に面した場所にデカデカと掲げられた大看板
 どう見ても、本の宣伝と言うよりも片山さつきさんという議員の顔を売るためのものですが、この看板はつい先日までずっと、<本の宣伝>という名目で晒されていた訳です。

 ところが、実際には出版会社側がこの看板費用をもっているという事実は無く、ましてや3年前に出版した本の宣伝を今以て看板料を払ってし続けるなんていう理屈を信じる有権者は誰もおらず、どう考えても、選挙で参議院の全国区を地盤とする片山さつき国会議員の顔を売らんが為の政治目的が主だろうと見られていました。

 その大看板が、18日の時点で真っ白に厚化粧されたようです。

 しかもこの看板、何とさいたま市に無許可で設置されたものだったんだそうです。



(朝日新聞2018年11月18日17時27分)
『片山さつき地方創生相の書籍を宣伝するためとして、さいたま市内に設置されていた看板が、同市の許可を受けていなかったことがわかった。朝日新聞の問い合わせを受けた市が設置者に連絡したところ、看板の広告を取りやめる意向を示したという。18日時点で、看板は真っ白になっていた。

 看板は、さいたま市の浦和駅近くの幹線道路に面した場所にあった。片山氏の国会などでの説明によると、2015年12月に出版された片山氏の著書の宣伝のため、片山氏の関係会社などが16年1月に設置したという。

 さいたま市は条例で、屋外に広告看板を出す場合は市の許可が必要だと定めている。片山氏の看板について朝日新聞が市に問い合わせたところ、広告主である片山氏側か、設置者のどちらかが届け出て許可を受ける必要があるが、許可を受けていなかったことが判明。市が設置者に確認すると、看板を白地にし、屋外広告物の対象にならないようにするとの意向を示したという。

 無許可で設置されていたことについて、片山氏は「業者に広告費用を払っているだけなので、条例に関する話はうちに来ない」と説明していた。

 ログイン前の続き看板をめぐっては、11月7日の参院予算委で「公職選挙法が定める看板規制の違反ではないか」と野党議員が指摘。片山氏は「私の書籍の宣伝広告であり、政治活動のためではない」と説明したが、16年7月の参院選中も掲げられていたため問題視されていた。

 この予算委で、同様の看板が「全国にどれだけあるか」と問われた片山氏は、「たぶんここ(さいたま市)しかない」と発言。しかし、ほかの2カ所でも同様の看板があったことを後で認めた』



 この記事の不明な点は、そもそもこの看板は片山さつきという国会議員が自費で設置したのかあるいは議員として政治活動費で掲示したのか、あるいは出版社が設置したのかがハッキリしていない点です。

 更に、2016年1月に設置した時から今に至るまで、看板費用は誰が払っていたのかもハッキリしていません。

 公職選挙法の観点から問題にするとすれば、その金主が誰かが最も重要になる筈ですから、朝日新聞側のもうちょっとその辺は詳しく調べるべきだろうと思います。
 そして、さいたま市の許可を得ずにこんなデカイ看板を幹線道路沿いに出しているのに、何故今までその事が問題にされなかったのかについても調査報道が及んでいません。

 看板が出てから参議院選挙もあったことですし、普通であれば野党側からこの看板に対してのツッコミがあってもおかしくはないでしょう。

 あるいは選挙管理委員会や、警察の公職選挙法違反での捜査などでリストアップされてもおかしくないはずなのに、何故か問題にならず今に至っています。

 その辺は与党の自民党議員だったから問題にならなかったのか?
 問題になったけど、公選法では曖昧な部分が多かったので不問に付されたのか?
 調べたが、合法という判断に至っていたのか?

 朝日新聞側ももっと突っ込んだ記事を書いて欲しいモノです。

 そして、朝日新聞系列のAERAdot.が昨日、この看板とは違う視点から片山さつき大臣の疑惑に新たなツッコミを入れています。
 それは、こちらも以前から登場していた私設秘書という名刺を持つ無給で働いていた税理士の南村氏の独白と同行写真です。



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(AERAdot. 11/18 18:25配信)
『国会で疑惑を野党から追及されても「知らぬ存ぜぬ」とのらりくらりの片山さつき地方創生担当相。

「100万円国税口利き疑惑」に登場する税理士のN氏が私設秘書であったかどうかを聞かれても、「私設秘書には法令上の定義がない」「秘書の名刺を見たことがない」と言い逃れに終始している。だが、本誌はN氏が「私設秘書」だった証拠や写真の数々を独占入手。さらには渦中のN氏を直撃した。

「片山さんは、私が秘書でないほうが都合がいいのでしょう。わかりませんが、秘書との連座制とかがある場合があるからかな。片山さんから電話があって、『あなたなんて顔を見たこともない。会ったこともないわよね』と言われましたが、私は『それは無理でしょう』と押し戻したんですよ。これまでどれだけ一緒に方々を回って、秘書の名刺も切ったか。彼女としてはこういう煩わしいことを抱えたくない、全部なかったことにしたいという気持ちがあるんでしょうけどね」

 N氏は片山氏との関係をハッキリとこう語った。

 すでに縦書きのN氏「参議院議員片山さつき秘書」の名刺は報じられているが、本誌は新たな横書きバージョンの名刺を入手した。

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 その名刺には「中央シティ税理士法人代表社員 税理士MBA 参議院議員片山さつき秘書 N」と印刷されていた。この名刺が配られたのは、2012年7月19日、福岡県大牟田市で開催された片山さつき講演会「日本の再生を目指す!」だった。

 片山氏は1時間以上に渡って講演したという。出席したN氏の知人である福岡県大牟田市のある会社社長はこう言う。

「N氏のグループ会社から、黄色い封筒が顧客に送られて来ました。封筒には『片山さつき行政書士事務所』という名前の会社も印刷されていました。その事務所の住所はN氏がやっていた東京都港区の会社でした」

 講演前後にまかれたという、同社の宣伝チラシには片山氏の写真とともに「よろしくお願いします」と記されていた。

 まだある。一般社団法人「アジアビジネス検定協会」の会長も、片山氏が務め、N氏が代表理事を務めていた。どういう協会なのか。N氏はこう説明した。

「アジアが好きで、片山ともアジアへ行っていた。そこで、アジア好きな人の検定試験制度を作ったんですよ。たとえば、『ソウルと平壌はどっちが緯度の北にありますか』とか『韓国の人口は5千万人を超えますか』とかいう試験です。私がこういう協会を作ったから、片山に会長をやってちょうだいと言ったら、『いいわよ』と言ってくれた」

 片山氏との関係についてN氏はこう語った。

「片山さんとは友達です。知り合ったのは、あの子が衆議院選で落選して、全国区の参議院に鞍替えになった8年くらい前(2010年)。彼女は地元の静岡ではなく、全国区に変わるから不安を感じていた。彼女を支援する有力な人も少なかったから、彼女の方から電話をかけてきたのが始まり」

 N氏が片山議員の秘書の名刺を持つきっかけとなったのは、7年前に一緒に北京へ行った時だという。

「片山さんの方から『秘書の名刺でも作ってよ』と言われたんです。縦書きの『片山さつき秘書』と書かれた名刺は100枚単位で作ってますが、増印したのを覚えています」(同)

 11月14日に開かれた衆議院内閣委員会では、国民民主党の後藤祐一議員が、N氏との海外視察や出張について片山氏に質問をぶつけている。

 2011年の香港の日本人クラブで行なった、片山氏の記念講演について「この時、Nさんと一緒じゃありませんでしたか」と質問すると、片山氏は香港で講演をしたことは認めつつも、N氏は「もしかしたら行っていたかもしれないし、行っていないかもしれない」とあいまいな答弁。

 さらに、中国・北京で、2011年1月、政府高官と面談している時に、N氏も一緒に行っていなかったかどうか質問されると、片山氏は「今現在手元にある資料でも、私の記憶でも、それはちょっと確認ができません」と繰り返した。

 しかし、本誌はその時、北京で撮影された写真を入手した。

 そこには「熱烈歓迎片山女士来訪」という赤い横断幕の前で、中国の参加者たちと一緒に片山氏、N氏が隣り同士で写真に収まっていた。

 さらに本誌は、2011年に気仙沼市長を訪れた時の写真、2015年にベトナムを訪れた写真なども独占入手した。いずれの時も片山氏と一緒にN氏が写っている。

 片山事務所に取材すると、2012年7月、福岡県で行われた講演会については「来賓として招かれ講演をしました」。一般社団法人『アジアビジネス検定協会』については「(N氏と)一緒に社団法人を作った事実はありません。どちらかというと名誉会長のよう形でおりました」。本誌が入手したN氏の名刺については「存じません」。N氏が私設秘書なのかどうかについては「国会等でお答えしている通りです」と答えた。

 N氏は片山氏のこうした対応に怒りを隠さない。

「大臣になったからって昔、苦労した時代に応援した私を簡単に切り捨てることは、許されるのか、と伝えたいですね」』



 このAERAの記事では散々、顔出しして記者会見までしている南村博二氏をN氏と仮名にしている意味が全く分からないですが、記事を読むと、片山議員は今まで散々自分を利用してきたくせに、自分の身を守るためまるでトカゲの尻尾切りの如き対応にそろそろN氏も我慢の限界に達しているようですね。

 しかし、どう考えても片山さつき大臣の大臣としての寿命は今年いっぱい保つかどうかだというのに、本人だけは厚顔無恥な醜態を国会の内外で晒している事に驚きます。
 叩けば埃が出るのが永田町の魑魅魍魎の一つの側面ですが、およそ政治家であれば引き際というのを大なり小なり認識していると思っていました。

 出処進退は議員が自分自身で決めるというのが通り相場で、うちわを配って大臣を辞めた人もいれば、政治資金の曖昧さを追求されて潔く辞めた大臣も数多くいます。

 ところが、この片山さつきさんという議員さんは財務省の優秀なキャリア出身ではありますが政治家としての矜持というか、引き際が全く分かっていない人らしく、国会の質疑で野党議員からのツッコミに“ああでもない、こうでもない”と弁舌爽やかに言い逃れできれば議員を辞める必要はないと思い込んでいるようです。

 いつまで経っても口達者な官僚気質が抜けないように見えるのです。

 政治資金報告は、二度、三度と修正し、口利き疑惑で始まった疑惑電車は止まるところを知らず、国会中継に映る彼女の面差しはまるで悪役然としており、何の為に国会議員になったのか、何の為に国務大臣にまでなったのかサッパリ分からない現状となっています。

 恥を知る政治家であれば既に身を退いているのでしょうが、ここまで引っ張ったら引っ込むタイミングも中々見つけられないのでは無いかと思います。

 結局、任命権者がクビを切るか、あるいは逃げ切れない新たな疑惑のタネがパッと世の中に開くのを待つしかないのかも知れません。

 つくづく、権力を握った者の引き際というのは難しいもののようです。