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 昨日明らかになった大相撲の横綱日馬富士による暴行事件。

 何故、同じような事件が繰り返されるのか。驚きと同時に呆れてしまいます。
 お相撲さんは常人では考えられないほど大きく、強い人々です。
 中でも横綱の地位は<神>の位にあるとも言われ、横綱を張る力士は相撲界の頂点に君臨する人々です。

 そして今の相撲界はモンゴル出身力士無しでは考えられないほど、横綱から幕下まで席捲しています。事件が起きたのは巡業中に懇親を図ろうとしたモンゴル力士達の飲み会での事でした。

 この日馬富士という横綱は酒癖が悪いんだそうです。

 酔うと誰にも止められないほど暴れることがあり、実際、今回の事件が起きた飲み会の現場には先輩横綱の白鵬もいたし、後輩横綱の鶴竜も同席していたものの2人とも止められなかった様です。

 正に、“キチガイ水”に溺れた1人の横綱の大騒動と呼ぶべき事件です。



(スポーツ報知 11/15 5:04配信)
『大相撲の横綱・日馬富士(33)=伊勢ケ浜=が、前頭8枚目・貴ノ岩(27)=貴乃花=に暴行を加え、大けがをさせたことが14日、分かった。10月25日夜に鳥取県内でビール瓶などで殴打したという。日馬富士は相撲協会に「左上腕骨内側上果炎、左尺骨神経痛で約6週間の治療を要する見込み」との診断書を提出して休場。横綱審議委員会の北村正任委員長(76)は日本相撲協会に厳しい態度で接するよう求め、進退問題に発展する可能性も出てきた。

 午前8時半頃、福岡・太宰府市の部屋宿舎で疑惑について「どっか(報道)に出たの?」と語った日馬富士は、記事を見て「怖いな」とつぶやいた。稽古後は一転、暴行の事実を認めて謝罪。「けがについては貴乃花親方、貴乃花部屋の後援会関係者の皆様、相撲協会、うちの部屋の親方に大変迷惑をかけたことを深くおわび申し上げます」と観念したように言葉を並べた。

 鳥取巡業を翌日に控えた10月25日夜に“事件”は起こった。宴席には日馬富士と貴ノ岩のほか白鵬、鶴竜のモンゴル出身3横綱や鳥取城北高相撲部出身の関脇・照ノ富士、日本人力士や関係者ら10人前後が参加。1次会から酒が進み、2次会へ移ると雰囲気が一変した。貴ノ岩は日馬富士から兄弟子に対するあいさつが足りないなどと注意されていた。その時、着物の帯に差していた貴ノ岩のスマートフォンが鳴った。

 操作しようとした瞬間に暴行が始まった。日馬富士がテーブルのビール瓶で、近くに座っていた貴ノ岩の頭部を殴打。「人が話をしている時に…」と激怒し、血を流して倒れた相手にのし掛かるようにしながら、素手で殴打を繰り返した。カラオケのマイクや曲を入れる端末機、灰皿まで振り上げたという情報もある。

 同席者は「周りが気付かないほどの速さでゴーン!という大きな音が聞こえた。そのまま20~30発は手で殴っていた。貴ノ岩は両手で防ぎながら、殴られ続けていた」と証言。日馬富士の同部屋の後輩、照ノ富士も数発食らったという。荒れた日馬富士は止めに入った白鵬を突き飛ばし、後輩横綱の鶴竜に「お前がしっかり指導しないからだ」とかみついた。宴は重苦しいムードで終わった。

 酒癖の悪さは何年も前から指摘されていた。感情の起伏が激しく、いったんキレると元に戻れない性格。ある40代の親方は「あの横綱は酔うと手が付けられなくなると聞いていた。でもまさかこんなことになるとは…」と驚いていた。

 貴ノ岩は「脳振とう、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」の診断を受けて初日から休場している。日馬富士は事件の詳細などを語らず、伊勢ケ浜親方も「もう(協会に)話したから。今は場所中で相撲のことに…」と言葉を濁した。品格を問われる現役の横綱が、事実を伏せたまま初日から2日間、土俵に上がった。相撲人気に水を差した』



 昨日各局のストレートニュース、ワイドショーではこの事件を報じていました。

 顛末を報じた後、疑問点として事件後の貴ノ岩の様子が大ケガを負っている様に見えなかったと、撮影された写真と共に報じてもいました。
 しかし、大相撲の幕内力士が後援者や観客の前で痛がる様なマネはしないでしょうし、時間が経ってから髄液が漏れている症状が出て来た為、事の重大さを貴乃花親方も本人も悟り、改めて入院する事にした事が考えられます。

 つまり、体が丈夫で強いからこそ普通の人間では動くことも出来ない様な大ケガにも堪えていたと言うことでしょう。
 もしかすると、髄液が漏れた疑いが無かったのならばこの事件はウヤムヤにされていたかも知れませんね。

 それにしても大相撲協会の対応はいつも後手後手です。
 事なかれ主義が付いて回ります。
 事件の概要は掴んでいたものの、またいつもの事だと軽く考えていたのでしょう。
 分からないのは、貴乃花親方が先月に被害届を警察に出しているのに何故かこの報道がその時点で無かった事です。

 何処かで、誰からの思惑が働いていたのか?
 
 日馬富士は3日目から休場しています。
 しかし今回の事件が露見し、貴ノ岩の様態が想像以上に重傷だったことが分かった今、単に休場という処分だけでは済まされないでしょう。
 自分の部屋の弟弟子であったなら無かった事に出来ていたかも知れませんが、協会の改革を唱える貴乃花部屋の力士に重傷を負わせたのです。しかも警察に被害届まで出されており、刑事事件として捜査は進んで行くでしょう。

 恐らくある程度の所で貴ノ岩の申し出などもあって協会が中に入り示談となるのかも知れませんが、事件と無関係に日馬富士の力士生命は既に終わっています。

 引退しか無いでしょう。

 若者も年寄りも、酒を飲んで暴れたが故に取り返しのつかない事件を起こすものは世の中に大勢います。しかし、横綱たる者が悪酔いして他部屋の力士に重傷を負わすなどあってはならない事件なのです。
 当時の状況が詳しく報道されるにつれ、益々、日馬富士の日頃からの酒癖の悪さとこれまでウヤムヤにしてきた暴力事件が明らかになっていく可能性もあります。

 恐らく協会からの処分を待たずに日馬富士は遠からず引退を発表すると思います。
 そうする事が人として日馬富士の出来る最もまともな対応だからです。