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ロシアW杯アジア最終予選第7節、日本対タイの一戦。
ちょっと前までならば、サッカーの日本vsタイ戦と聞けば間違いなく<負けは無い>と連想した組み合わせです。
しかしながら、こと、ワールドカップの最終予選ともなると、<勝ち>が即、予選での勝ちに繋がることを意味しないため、実にハラハラドキドキの試合となりました。
結果から言えば4対0の快勝だったのですが、得点差以上に緊迫感に満ちた試合内容だった様に思います。
試合前の時点では日本とサウジとオーストラリアが共に勝ち点13ながら、得失点差で1位がサウジアラビア、2位がオーストラリア、3位が日本。
つまり、対戦相手となったタイは戦う相手としては楽に勝ちを見込める相手ながらも、勝ちの内容、即ち得失点差が大きくなければ真の勝ちにならない試合でもありました。
そういう意味で、昨夜のGKを務めた川島選手はGKとして相手の得点を防ぐ大活躍を見せ、<守る事>が<得点する事>と同じ意味をもたらしたと言っても過言ではありません。
と言うのも、試合途中で日本は長友選手が相手フォワードをゴール前で倒してしまい、絶体絶命のPKを与えてしまったのです。
既に得点は4対0と大差があったものの、もしもPKで失点していたら結果は4対1、もしかしたら勢いに乗ったタイが更に得点を重ねたかも知れない大ピンチでした。
何故、大ピンチか?
それは、得失点差が予選リーグでの順位に大きく響く現状があったからです。
実際、昨夜4対0で勝ったことで、得失点差で逆転した日本がサウジを抜いで首位に立ったのですから。
実に大きなPK死守でした!
しかも昨夜の日本vsタイの試合が最後の最後まで緊迫感に満ちて面白かったのは、相手のタイ選手の、“諦めることを知らないサッカーへの献身ぶり"にあったと思います。
実に見事でした!
彼等は日本が自分たちよりも強い事を認識していると言います。
だからこそ、強い日本チームを相手に自分たちがどこまでやれるか?どこまで日本を苦しめられるかを試合の最初から最後まで追い求めているようにピッチを走り回りました。
これが韓国戦であったなら、もっともっと荒れていたでしょう。
客観的に言って、日本vs韓国戦の試合は見ていて嫌になるほど汚いプレーが多いのです。
勝つためには、負けたくない!負けないためには相手に得点させない!
得点させないためにはオフサイドを平気で実行するのです。
確かにそれがサッカーの試合だと言えばそれまででしょうが、昨夜の日本vsタイでの試合を見ていると、そうした嫌悪感を抱くプレーはほとんど無かったと言えます。
相手に怪我をさせても勝ちたい!と言ったスポーツ精神から逸脱した<決闘>の様な雰囲気は全くありませんでしたし、最後の最後まで見事に走りきり、自らのチカラで得点しようと頑張っていました。
私にはその姿が何よりも心地よかったです。
そして昨夜の試合で最後に寂しく感じた事。
それは、曾ては日本代表に君臨していた本田が控え選手に甘んじていたことです。
彼は試合後半の途中からピッチに出場した訳ですが、何と言うか、ピッチの上を走るスピード感が他の選手よりも遅く感じられ(集中と息抜きのバランスはあるにしても)、数少ないシュートチャンスも決定弾に繋がることは無く、どんなエースストライカーも年齢が嵩むと同時に試合出場の機会が減り、やがては周囲の選手から少しずつ遅れをとるようになってしまうもんなんだなあ~という感慨を持ちました。
既に彼の選手としてのピークは過ぎているのでしょうが、まだまだ国民的な期待は彼に寄せられ、監督も彼を<必要な選手>と讃え、代表選手のリストから外していません。
にもかかわらず、実際にはここ数試合はベンチスタートであり、絶対エースの称号は既に外されている感は否めないでしょう。
これが時の流れです。
そして時の流れ、人の心を読み、相手選手の思いをも分析しなければW杯の予選を突破することは難しく、更に決勝トーナメントに生き残ることは出来ないということなんでしょうね。
いろんな分析や評価はあるでしょうが、いずれにせよ、昨夜の日本選手とタイ選手は全員、欲やりました。
グッドジョブ!!!