ワールドカップの熱戦が続いています。
昨夜は強豪の無敵艦隊スペインがスイスに敗れました。
予選グループは4チームなので、どのチームも最初の闘いで勝っても負けても残りの2試合に連勝すればまだまだ決勝トーナメントに進む可能性は大きく残っている訳ですから、スペインも初戦を落としたからといって決して諦めている訳ではないでしょう。
その事は日本にも言えます。
確かに幸運にも日本は初戦に勝利し俄然有利な展開に持ち込む事が出来ましたが,敗れたカメルーンだってまだまだ死んでおらず,オランダとデンマークに勝利すれば決勝リーグに進む事は出来ると確信している事でしょう。
つまり、残り2試合に連勝すれば最終的な喜びを掴む事が可能だし、逆に日本が連敗すれば、最終的に喜びを手にする事は難しくなるのです。
今回のブログのテーマは「諦めない心」についてです。
そして注目するのは日本代表チームのスター、中村俊輔選手です。
彼の今の心境を語る記事が毎日新聞にありましたので、先ずはご覧下さい。
(毎日新聞 6月16日20時41分配信)
『主役になるはずだった背番号「10」、MF中村俊(横浜マ)が、もがいている。痛めた左足首の状態も含め、調子は上向いてきている。ポジションを争った本田(CSKAモスクワ)はFWに移った。しかし、出番は得られていない。自身2度目、集大成にもなるW杯は試練の場となった。
カメルーン戦に向けて公式練習が行われた13日。全体練習後、居残ってFKやシュートを繰り返した中村俊は、ゴールを決めると2枚重ねした練習着の一枚を脱ぎ、右手でグルグルと回しては走り回り、「喜び」を表現した。普段は公式戦でゴールを決めても、派手な振る舞いはしない。ともすれば折れそうになる自らを、奮い立たせようとしているかのようだった。
その日、「頑張ります」と一言だけ報道陣に告げて臨んだ翌14日のカメルーン戦。ピッチ脇で体を動かしながら出番を待ったが、声はかからなかった。
ボールを支配し、攻撃的に展開するこれまでの戦術では、ピッチを広く使って緩急をつけられる中村俊が最も重要な役割を担う立場だった。だが、最近の日本代表が採用する「堅守速攻スタイル」ではスピードや縦への突破力が求められ、中村俊が入るポジションには大久保(神戸)や松井(グルノーブル)が入った。
「(敵陣の)ゴール前までパスを回して行くことはそんなにない。『守って速攻』しかない。今までのサッカーは結構しづらい。自分が外に開いてパスをもらっても、周りに味方がいてくれないと意味がない」と、悩みを打ち明けたこともある。それでも「自分の良さを出し、大事な『駒』になれるようにしたい」と、今の立場を受け止めて取り組む。
勝利の翌15日。カメルーン戦の先発11人以外の選手が練習に参加し、それぞれが報道陣の待つ取材エリアを通って宿舎に戻るバスに乗り込んだが、ただ一人、コメントを拒んで通り過ぎたのが中村俊だった。上向くチーム状態と、その中での自分の存在。口を開けば、自分を支える何かが崩れてしまうのかもしれない。だが、それを乗り越えることこそが、エースナンバーを背負う者の宿命だ』
代表選手として選ばれながら本番の試合に出られない苦悩は図り知れません。
嘗てフランス大会の本番直前、日本サッカーを牽引してきた三浦知良選手が最終選考で切られ傷心の帰国をしたことを思い出します。
その時も代表監督は岡ちゃんでした。
きっと岡田監督の中では三浦選手を切った明確な理由があったのでしょう。
「日本が勝つ為には足の遅いカズでは駄目だ。中田を中心に早いパス回しについていける選手にすることが日本が勝てる道だ」と。
しかし彼が勝つために選んだ選手では一勝も出来ませんでした。
予選敗退をした結果から見れば、岡田監督の決断は日本代表にとって全く見当違いだった事が証明されたのです。
その時点では日本チームのどの選手もがワールドカップのレベルに達していなかったのだと。
2010年ワールドカップ南アフリカ大会に出場している日本代表は進歩しています。
既に4回目の出場となって、岡チャンが監督になって初めて勝利することも達成しました。
また、その勝利の鍵となる選手選考もワントップの本田を生かすために突破力のある大久保、松井を両ウイングに配し、見事に結果も出しました。
ですから、今大会で岡田監督が決断した選手選考は正しかったと証明されたのです。
本田選手は一躍世界的なスポットライトを浴び、少なくとも現時点では日本勝利の立役者として己の自負心は豚よりも高く木に登っている事でしょう。
決して悪口ではありません。
彼には自己の顕示欲を満足させる資格もありますし権利もあります。
今こそ勝利の美酒に酔う瞬間とも言えるでしょう。
しかし陽の当たる栄光が表舞台にあれば、当然の如く陽の当たらない裏舞台で苦悩する選手もいるのです。
中村俊輔はこれまで日本代表の要として必要とされ、本人もそう信じて闘ってきた筈です。
しかし大会直前に足首を痛めて調子が上がらず、その結果、岡田監督がこれまでの戦術を大幅に見直すきっかけとなってしまいました。
本人は必死で体調を取り戻そうと努め、本番では100%の実力を発揮しようと決意していた事は想像に難くありません。
ただしサッカー選手が走るピッチを奪われてしまえば、ただの男の子です。
一瞬にして当たっていたスポットライトは消え、人々の記憶からも消し去られる事でしょう。
そしてその事を誰よりも恐れ、不安な心で耐えているのが中村俊輔ではないでしょうか。
今、私は中村俊輔選手に言いたい。
まだワールドカップは始まったばかりだ。
勝った日本と言えども残り二試合に負ければ予選敗退と言う事もあり得る。
しかも初戦に輝いた本田選手が二戦以降も必ず輝くとは約束されていないのだ。
ケガをする事だってあるだろう。
レッドカード一発で退場と言う事もあるだろう。
勝負事に確実な事なんてない。
俊輔がすべきは、いつでも試合に出る準備をすること。
決して腐ることなく、心折れることなく、不断の準備をすること。
もし日本代表が決勝トーナメントに進出すれば更に中村俊輔が必要となる機会も増える。
重ねて言いたい。
決して心折れることなく、サッカー選手の一人として、ワールドカップの夢の舞台で走れる喜びを掴むために、そして日本代表選手の誇りを全ての国民に示すために、自分自身と家族や友人のためにグランドで走り続ける事だ。
頑張る選手にチャンスは必ず来る。
フォルツア!中村俊輔!!
昨夜は強豪の無敵艦隊スペインがスイスに敗れました。
予選グループは4チームなので、どのチームも最初の闘いで勝っても負けても残りの2試合に連勝すればまだまだ決勝トーナメントに進む可能性は大きく残っている訳ですから、スペインも初戦を落としたからといって決して諦めている訳ではないでしょう。
その事は日本にも言えます。
確かに幸運にも日本は初戦に勝利し俄然有利な展開に持ち込む事が出来ましたが,敗れたカメルーンだってまだまだ死んでおらず,オランダとデンマークに勝利すれば決勝リーグに進む事は出来ると確信している事でしょう。
つまり、残り2試合に連勝すれば最終的な喜びを掴む事が可能だし、逆に日本が連敗すれば、最終的に喜びを手にする事は難しくなるのです。
今回のブログのテーマは「諦めない心」についてです。
そして注目するのは日本代表チームのスター、中村俊輔選手です。
彼の今の心境を語る記事が毎日新聞にありましたので、先ずはご覧下さい。
(毎日新聞 6月16日20時41分配信)
『主役になるはずだった背番号「10」、MF中村俊(横浜マ)が、もがいている。痛めた左足首の状態も含め、調子は上向いてきている。ポジションを争った本田(CSKAモスクワ)はFWに移った。しかし、出番は得られていない。自身2度目、集大成にもなるW杯は試練の場となった。
カメルーン戦に向けて公式練習が行われた13日。全体練習後、居残ってFKやシュートを繰り返した中村俊は、ゴールを決めると2枚重ねした練習着の一枚を脱ぎ、右手でグルグルと回しては走り回り、「喜び」を表現した。普段は公式戦でゴールを決めても、派手な振る舞いはしない。ともすれば折れそうになる自らを、奮い立たせようとしているかのようだった。
その日、「頑張ります」と一言だけ報道陣に告げて臨んだ翌14日のカメルーン戦。ピッチ脇で体を動かしながら出番を待ったが、声はかからなかった。
ボールを支配し、攻撃的に展開するこれまでの戦術では、ピッチを広く使って緩急をつけられる中村俊が最も重要な役割を担う立場だった。だが、最近の日本代表が採用する「堅守速攻スタイル」ではスピードや縦への突破力が求められ、中村俊が入るポジションには大久保(神戸)や松井(グルノーブル)が入った。
「(敵陣の)ゴール前までパスを回して行くことはそんなにない。『守って速攻』しかない。今までのサッカーは結構しづらい。自分が外に開いてパスをもらっても、周りに味方がいてくれないと意味がない」と、悩みを打ち明けたこともある。それでも「自分の良さを出し、大事な『駒』になれるようにしたい」と、今の立場を受け止めて取り組む。
勝利の翌15日。カメルーン戦の先発11人以外の選手が練習に参加し、それぞれが報道陣の待つ取材エリアを通って宿舎に戻るバスに乗り込んだが、ただ一人、コメントを拒んで通り過ぎたのが中村俊だった。上向くチーム状態と、その中での自分の存在。口を開けば、自分を支える何かが崩れてしまうのかもしれない。だが、それを乗り越えることこそが、エースナンバーを背負う者の宿命だ』
代表選手として選ばれながら本番の試合に出られない苦悩は図り知れません。
嘗てフランス大会の本番直前、日本サッカーを牽引してきた三浦知良選手が最終選考で切られ傷心の帰国をしたことを思い出します。
その時も代表監督は岡ちゃんでした。
きっと岡田監督の中では三浦選手を切った明確な理由があったのでしょう。
「日本が勝つ為には足の遅いカズでは駄目だ。中田を中心に早いパス回しについていける選手にすることが日本が勝てる道だ」と。
しかし彼が勝つために選んだ選手では一勝も出来ませんでした。
予選敗退をした結果から見れば、岡田監督の決断は日本代表にとって全く見当違いだった事が証明されたのです。
その時点では日本チームのどの選手もがワールドカップのレベルに達していなかったのだと。
2010年ワールドカップ南アフリカ大会に出場している日本代表は進歩しています。
既に4回目の出場となって、岡チャンが監督になって初めて勝利することも達成しました。
また、その勝利の鍵となる選手選考もワントップの本田を生かすために突破力のある大久保、松井を両ウイングに配し、見事に結果も出しました。
ですから、今大会で岡田監督が決断した選手選考は正しかったと証明されたのです。
本田選手は一躍世界的なスポットライトを浴び、少なくとも現時点では日本勝利の立役者として己の自負心は豚よりも高く木に登っている事でしょう。
決して悪口ではありません。
彼には自己の顕示欲を満足させる資格もありますし権利もあります。
今こそ勝利の美酒に酔う瞬間とも言えるでしょう。
しかし陽の当たる栄光が表舞台にあれば、当然の如く陽の当たらない裏舞台で苦悩する選手もいるのです。
中村俊輔はこれまで日本代表の要として必要とされ、本人もそう信じて闘ってきた筈です。
しかし大会直前に足首を痛めて調子が上がらず、その結果、岡田監督がこれまでの戦術を大幅に見直すきっかけとなってしまいました。
本人は必死で体調を取り戻そうと努め、本番では100%の実力を発揮しようと決意していた事は想像に難くありません。
ただしサッカー選手が走るピッチを奪われてしまえば、ただの男の子です。
一瞬にして当たっていたスポットライトは消え、人々の記憶からも消し去られる事でしょう。
そしてその事を誰よりも恐れ、不安な心で耐えているのが中村俊輔ではないでしょうか。
今、私は中村俊輔選手に言いたい。
まだワールドカップは始まったばかりだ。
勝った日本と言えども残り二試合に負ければ予選敗退と言う事もあり得る。
しかも初戦に輝いた本田選手が二戦以降も必ず輝くとは約束されていないのだ。
ケガをする事だってあるだろう。
レッドカード一発で退場と言う事もあるだろう。
勝負事に確実な事なんてない。
俊輔がすべきは、いつでも試合に出る準備をすること。
決して腐ることなく、心折れることなく、不断の準備をすること。
もし日本代表が決勝トーナメントに進出すれば更に中村俊輔が必要となる機会も増える。
重ねて言いたい。
決して心折れることなく、サッカー選手の一人として、ワールドカップの夢の舞台で走れる喜びを掴むために、そして日本代表選手の誇りを全ての国民に示すために、自分自身と家族や友人のためにグランドで走り続ける事だ。
頑張る選手にチャンスは必ず来る。
フォルツア!中村俊輔!!