「逃げる」って勇気が入ります。でも大事。
逃げ出すのは悪いことなのか。
・学校でいじめにあっている
・習い事が好きになれない、うまくなっていかない
・仕事が合わない
・仲間はずれにされている
などなど、人の数だけある辛いこと。
辛いことには前向きに立ち向かえば、運良く道は開けるかもしれません。
でも、すごく辛くて、嫌で、もうやめたい。
わたしはとりあえず、一度手放すために逃げればいいと思います。
「逃げる」という表現のイメージがよくないためか、逃げることは悪いことの始まりみたいに思われがちです。
でも、すごく辛くて、嫌なことをやっているときって、正常な判断ができる状態ではないと思うのです。
そんな中で無理矢理自分を奮い立たせても、体か心を壊すことにつながりかねない。
感動的なドキュメンタリーに惑わされないで。
感動的なドキュメンタリーで「大きな壁にぶつかって、もう諦めてしまいたかったけど、なんだかんだ頑張って立ち向かって、栄光をつかみとりました」というようなのがありますが、それで奮い立つのは危険です。
そういう人は特別なんだと思ったほうがいいです。そもそも本人の体感したことよりもストーリーとして感動的にしている場合もありますし。結果的にうまくいったから逆算して「あのときのあれがよかったんだ」みたいに言えるわけで。
とか言いつつわたしは感動ドキュメンタリーは見るたびに泣いてしまう派です。感動します。普通に。
でもそういう風に取り上げられる人のエピソードは、自分自身とは距離をとって見ておいたほうがいいです。参考程度にしたほうがいい。
「自分もあの人みたいにがんばってがんばってがんばりまくれば、いつか光り輝く!この死ぬほどの苦しみは必要なことなんだわ!」とか思い込まないで。落ち着いて。
元気いっぱいな時ならいざしらず、辛くてしんどいときは真に受けないほうが懸命です。
自分の状態について冷静に
自分の状態が一番わかるのはなんといっても自分です。自分が辛くてやめたいって気持ちがあるのなら、まずは素直に認めてください。
家族や上司、先生、友人がどう言おうと。彼らにどう思われようと。
特に自分の体や心に異変があって、命に関わるような時に他の人の意見や視線を考えている場合じゃないでしょ。
逃げてください。
自分が情けなくて許せないかもしれないけど、逃げて。
一度逃げてみると・・・
辛くて苦しいけどその場から逃れられない状態は、「感電しているときに電気ビリビリの棒を握りしめて離せない」みたいな状態です。
「辛いけどやめたらだめだ、自分はここで頑張り続けるしかないんだ。やめたらもう二度と復活できなくなる。」という思いにしがみついて、思い込んで、すごいストレスフルなのに逃げ出せないみたいな状態。
辛い。無理矢理にでも手を棒から引き剥がさなければ。
一度逃げてみると、体や心のこわばりが解けて、とても楽になります。なんでやめたらだめとか思い込んでいたのかしら。みたいな。
逃げグセをつけましょう
「逃げグセ」とか「やめグセ」とか言う言葉がありますが、これはつけたほうがいいクセではないでしょうか。
だって「逃げてもだいじょうぶ」と思えるようになるってことですから。これは強みだと思います。
逃げグセ、やめグセを身につけておかないと、いざ死ぬほど辛いって状態になったときにはもう死んでしまうしかなくなってしまう。
「とりあえず逃げよう、逃げてもなんとかなる」と思えれば最悪の事態を避けられます。「逃げる」「やめる」経験はとても貴重なものです。そして自分で体得していくことで、生き抜くためのスキルになります。
「逃げてもいい」と思えるだけでもだいぶいい。
家族や友達、恋人がしんどそうなら、「逃げてもいい」って声をかけてください。もちろん自分で自分にもそう声をかけてください。
わたしは最初に就いた仕事を7ヶ月で辞めて実家に身を寄せたときに、地元で事務の仕事を始めました。かなり自分に失望していたときだったので、仕事ができるか非常に不安で、プレッシャーで、行きたくなかった。その時に母にこう言われました。
「合わなかったらまた辞めればいいんだから、やってみれば?」
その言葉で気持ちが少し楽になり、仕事に行けました。辛いことがあったときは「明日辞めればいいや」と考えたりして、気持ちを楽にしてました。結局そこは2年勤めました。
「やめてもいい」「逃げてもいい」って思えるだけで、気持ちが楽になり、少し冷静になれると思います。
そう思えるためには実際の体験も必要ですが、周囲の声に助けられることも大いにあります。
逆に、しんどそうな時に「絶対に辞めるな」「逃げるのはだめだ」とか言われたら。。。もう。。。。ああ。。。
とにかく「逃げ出せる能力」って大事だと思う。
世の中も逃げることを禁止するようなのはもうやめて、「何度でもリスタートできるよ」って空気になっていけばいいと思います。
だって実際、逃げてもだいじょうぶなんですから。
ぶんちん