実家への出入り禁止が解かれ、妹が来ていないことを確認すると
久しぶりに実家へと行く。
僕が飼っている犬を2匹連れて行くと母がすごく喜んだ。
リビングにはムーのカゴがあって布がかけられているが
僕の鼻でも分かる獣臭がする。僕の鼻でも臭うのだから、
スムースチワワ君にとってはとっても興味の湧くカゴだ。
僕の犬たちを実家のリビングに離すと猫顔負けにまっしぐら、
ムーのカゴに向かう。2匹でカゴを囲むとしばらく鼻を突きつけ
クンクン臭いを嗅ぐと、一斉に片足をあげ、ちーっとマーキングをしまくる。
あっという間にムーのカゴの布はびしょぬれになった。
布を開けることはなかったが、布の陰でムーはさすがにびびったであろう。
「ちょっと見てほしい」
母はそう言うと妹の部屋に連れて行く。
扉の前で驚いた。
壁に4cmほどの細い線のような穴が2箇所あいている。妹が包丁で刺した穴だ。
さらに扉にはガムテープで文字が象られている。
「カッテニハイルナ」
良くなった、と聞いていたがこれだけ見ると全く正常には思えない。
いまさらながら父や母はとんでもないのと一緒にいたんだと実感する。
勝手に入るとすさまじい抗議をされるのだという。そのくせ掃除は一切しない。
片付けや掃除は母がするのだが、妹がいるときに
「掃除するから入っていい?」
と許可を得た上で妹の監視のもと、母が掃除をする。バカバカしい。
聞いているだけで腹が立つ。ダメなものはダメってちゃんと線引きしないと
いけないと僕は思うが、妹の反撃が粘着質で激しくて根負けしてしまうのだと
母は言う。
扉の前で母と話していると、ワンコが僕をおいかけてやってきた。
妹の部屋に入ると机の脚をクンクン嗅ぐ。でルーティンのマーキング。
僕と母は慌てて拭き取る。その形跡が全くなくなるまで拭き取る。
妹にばれたら大変だ。