僕は未だに精神疾患は個性の延長線上にあるとどこかで思っている。

その個性が妹の場合は忌々しいことが多く、島田くんの場合は微笑ましく思える。

 

島田くんが統合失調症で入院したことがあると聞いて、それらしい欠片を

拾い集めてみたが、その欠片そのものが病気を示唆しているかどうか分からない。

その欠片を目撃したり体験したりした、その時は

彼が病気であると、思った事はこれっぽちもないのだ。

 

妹の場合は強烈な個性が強烈に破裂したが、島田くんの場合は

コメディタッチの人柄ではあるが、それがバーストした印象もない。

 

僕は島田くんの欠片を知る者として彼が言う「統合失調症の再発」そのものを

疑い始めていた。

 

正確に言うと僕は「島田くんが過去に統合失調症を患った」とも考えていない。

「島田くんは過去に統合失調症であると診断され入院した」と僕は理解している。

 

なぜこんな言い回しになってしまうのか?というとたぶん、心療内科という

分野の曖昧さだと僕は思っている。全てとは言わないが、どこか精神科医の

印象や様々な薬を投与してみてその患者にあった薬によって病名が

決められる事もあるのでは?という気もしている。

 

だからこそ僕自身が彼の今を統合失調症であると決めつけるわけにはいかない。

そして、矛盾するがその判断をゆだねるのはプロである心療内科の医師で

なければならない。

 

僕ができることは島田くんとともに失われたねじを探す事だけだ。