妹が更新するブログは更新するたびに迷走を続けている。
「アフリカに使わなくなった物を送ろう!」
「シングルマザーに部屋を開放して子どもを預かる」
「虐待されている犬を救おう!」
「オーガニックコットンを販売します!」
「伊豆を活性化させる!」
エコキャップを広めるためのブログはもはやどのジャンルのボランティアか
分からなくなってしまっていた。どれか一つでも実行するのには大変な労力が
いるだろう。妹の広げた風呂敷は大きすぎて風に飛ばされ空中でゆらゆら
浮かんでいる。馬鹿馬鹿しくてこんなことに共感できる人間がいるものか?
とも思うが悩ましいのは母だ。
「母が賛同してくれ行動を共にしてくれているんです!」
僕の制止も聞かず心配だからと妹に付いて回っている。
「過去にあなたがイロイロ問題を起こしたときも私があなたを見放したことが
ありますか?」
「私に彼女を放っておけというのは私に死ねと言うのに等しい。彼女は
私が産んだ子なのよ」
言い返す言葉もない。しかし後日、「妹の話を聞かされた」人たちの証言によれば
「お母様が一緒にいらっしゃったから安心して」
「お母様を信用して」
これでは「ミイラ取りがミイラに」パターンではないか?母は妹の行動を
保証する後見人になってしまっている。しかし母そのものは賛同したわけでも
ないし、保証しているつもりもない。口を挟む隙もない妹のマシンガントークの
背後で玉切れの旧式銃の母は立ちすくんでいるという。
その度にため息まじりで僕のところに電話をしてくる。
「昨日伊豆に連れて行かれたわ」
まだアフリカではなく、伊豆で良かった。
「老舗ホテルの副支配人を怒鳴りつけたのよ、あの子。」
一体、妹はどこに向かっているのか?アフリカか?伊豆か?
後に妹はインドへと旅立つ。でもそれはまだ先の話。