こんにちは。

文章コンサルタントの堀内です。


本日は、「涙を流して感謝されたチラシ」について
お話ししたいと思います。


              ◆


それは、知り合いの焼き鳥屋の女将さんの
 

「こんなチラシを作りたいんですが・・・」との
 

ひと言で始まりました。

 

手書きで書かれたチラシの下書きを見せてもらうと・・・、

 

チラシの大義名分が、


 ・オープン2周年
 ・店内を改装し、お座敷席を作った
 ・新メニューも増やした

 

とのことで、それを伝えたいとのことでした。

 

で、この時期にチラシを撒く狙いを聞いてみると、

 

飲み放題メニューを新たに作ったので、
夏の暑い時期に、これで新規のお客様を取り込みたい
 

とのこと。


              *

 

で、チラシの下書きを見てみると、

 

表面には、


 ・新メニューが文字でズラズラと書いてあり

 ・その横に、新しくできた座敷の写真や店内の写真が載っていて

 ・一番下に、8月末まで使える生ビールの無料券が付いています。

 

裏面は、


 ・お店の成長物語として、
 
  テントでやきとりの持ち帰りをやっていたときの写真から、
  お店を持てるようになって、大工さんと一緒に工事している写真
  オープンしたときの写真
  座敷の写真

  

などが、キャプション(写真説明文)とともに、

並べられていました。


              *


ここから、いろいろと改善を重ねていくわけですが、
 
本日は、物語の部分についての話をしたいと思います。

 

じつは、物語やストーリーには、

「共感してもらいやすい」というメリットがあります。

 

だから、チラシに物語を載せるのも悪くはないのですが、

今回の場合は、ちょっと事情が違っていました。

 

どう違っていたかというと、

その物語を読んでも、ちっとも共感しなかったのです。

 

「ふ~ん、だから何?」と思ってしまった。

 

その理由は・・・、


              *

 

写真のキャプションが、

 

「はじめテントでお持ち帰りのやきとりを売っていました」
「やきとり専門店をオープンすることができました」
「手作りでいろいろ店内の飾り付けをしました」
「1階と2階の座敷を手作りで装飾しました」
「手作りでガーデンをオープンしました」
「お持ち帰りコーナーもできました」

 

というように、事実しか書かれていなかったからです。

 

これでは、

お店の「物語」ではなく、単なる「年表」です。

 

いつ、何があったのか、ということしか、わかりません。

 

事実というのは、人によって解釈の仕方が違うので、
部外者の人には、なかなか共感してもらえないのです。

 

では、どうすれば共感してもらえるのか?


              *

 

それは、いつも言っていることですが、

 

「想いを語る」ことです。

 

たとえば、
 
 ・なぜ、お持ち帰りのままではなく、
  「やきとり専門店」をオープンしようと思ったのか?


 ・なぜ、座敷を作ろうと思ったのか?


 ・なぜ、お持ち帰りコーナーを作ろうと思ったのか?

 

この「なぜ」を語ることで、共感してもらえるのです。


              *

 

さらに、その「なぜ」が、
 

「お客様のために」となっていると、


共感度がアップすることになります。

 

たとえば、

 

お持ち帰りのままではなく、
「やきとり専門店」をオープンしようと思った理由は、

 

「お店を持つのが長年の夢だったから」よりも、

 

「お客様に焼きたてのやきとりを、
 座って食べてもらえるようにしたかったから」

 

の方が、お客さんは共感しやすいわけです。


              *

 

女将さんの中には、息子(大将=店主)がテントで
持ち帰りの焼き鳥屋から始めて、

 

やっと念願の店を持つことができて、

 

だけどそのときはお金がなかったので、
カウンターとテーブル席だけしか作れなかったのが、

 

2年の間に、自分たちで
1階と2階の部屋を「お座敷席」にリフォームするなど、

 

息子と2人、苦労してここまでがんばってきた。

 

そんな思い入れのあるお店なので、
それをお客さんにも知って欲しいという思いが

女将さんにはあったようでした。


              *

 

でも、じつは、これって、
女将さんの自己満足でしかないんですね。

 

下書きのような「事実の羅列」の伝え方では。

 

なぜなら、その写真を見て、女将さんや息子は、
感慨にふけることができるでしょうが、

 

お客さんは、その写真の当事者ではないので、
そこに何の思い入れもないからです。

 

だから、私は、物語を載せるのであれば、


これまでの写真説明の事実の羅列を、

「お客さんのために」をキーワードとした説明に
書き直すよう、女将さんに依頼しました。


              *

 

それを息子さんに話したら、

 

「物語を載せるのは止めよう」ということになったそうで、

 

女将さんが考えた「物語案」がボツになってしまいました。

 

理由は、「うちの物語はお客さんには関係ないから」と
息子が言ったからとのこと。

 

私は「そうじゃないんだけど・・・」と思いながらも、


「じゃあ、裏面はどうしますか?」と聞くと、

 

「裏面はナシで、片面だけのチラシにしようと思う」と。

 

しかし、それではせっかくのスペースがもったいないので、

何か入れた方がいいと女将さんに伝え、

別の案を考えてもらうことにしました。


              *

 

そして翌日、出てきた案を見た私は、

 

目がテンになってしまったのでした。


                    ・・・次号につづく
 
<本日のポイント>


 ・物語は共感されやすい

 ・しかし、事実の羅列だけでは、共感されない

 ・「なぜ、そうしたのか?」という想いに、人は共感する

 ・理由が「お客様のために」であれば、共感度が上がる


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