こんにちは。

文章コンサルタントの堀内です。


本日は、文章上達法の第24回をお届けいたします。
テーマは「とんでもございません」です。


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【第24回】「とんでもございません」


 先日、セミナーで下記のような質問がありました。


 「とんでもございません」は間違った使い方だと思うので、


 自分は「とんでもないことでございます」と言うようにしているが、


 はたしてこれでいいのでしょうか? とのことでした。


 これについて私は、

 「とんでもない」というのが一つの言葉だから、
 
 「とんでもございません」とか、
 「とんでもありません」という使い方は、

 間違いではないかと思いました。


 だから、質問者の方の使い方が正しいのでは、と。


 ただ、自信がなかったので、
 その場は「調べて返事をします」ということにしました。


 で、調べてみたところ・・・、


              ◆


 平成19年2月2日に出された「敬語の指針」という
 文化審議会答申の中に、「とんでもございません」の
 使い方についての答が書かれていましたので、
 以下に引用したい思います。


 ▼引用ここから
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 【29】 部長から「いい仕事をしたね。」と褒められたので,
  思わず「とんでもございません。」と言ったのだが,この表
  現は使わない方が良いとどこかで聞いたことを思い出した。
  「とんでもございません」の何が問題なのだろうか。


 【解説1】「とんでもございません」(「とんでもありません」)
  は,相手からの褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現で
  あり,現在では,こうした状況で使うことは問題がないと考
  えられる。


 【解説2】謙遜して,相手の褒めや賞賛などを打ち消すときの
  「とんでもございません」(「とんでもありません」)という
  言い方自体はかなり広まっている。


  この表現は使わない方が良い,と言われる大きな理由は,
  「とんでもない」全体で一つの形容詞なので,その「ない」
  の部分だけを「ございません」に変えようとする発想に問題
  があるということである。


  したがって,その立場に立てば,「とんでもない」を丁寧に
  するためには,「とんでもないです」「とんでもないことで
  ございます」あるいは「とんでものうございます」にすれば
  良い,ということになる。


  ただし,「とんでもございません」は,「とんでもないこと
  でございます」とは表そうとする意味が若干異なるという点
  に留意する必要がある。


  問いの例は,褒められたことに対し,謙遜して否定する場合
  の言い方である。したがって,「とんでもございません」を
  用いることができるが,この場面で,「とんでもないことで
  ございます」と言ったのでは,「あなたの褒めたことはとん
  でもないことだ」という意味にも受け取られるおそれがある
  ので,注意する必要がある。


  また,例えば,あの人のしていることはとんでもないことだ,
  と表現したい場合には,「あの方のなさっていることはとん
  でもございませんね。」などとは言えないが,「とんでもな
  いことでございますね。」などは普通に用いることができる。

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 ▲引用ここまで


              ◆


 いかがだったでしょうか?


 要するに、結論としては、
 「とんでもございません」は間違いではないということです。

 だから、使ってもいいと。


 理由は2つあって、


 1つは、「とんでもございません」という言い方が
 かなり広まっていること。


 もう1つは、
 「とんでもございません」と

 「とんでもないことでございます」は
 

 意味が若干異なるからだということです。


 言われてみれば、「確かに!」ですね。


              ◆


 ということで、今回は以上です。

 次回もお楽しみに。



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