こんにちは。

文章コンサルタントの堀内です。


本日は、「伝わる文章、伝わらない文章」の第2回目をお届けします。


【第2回】 主語と述語は一致しているか?


●主語と述語だけを取り出してみてチェックする


本日は、「主語と述語は一致していますか?」というお話です。


ちなみに、主語とは「○○は」「○○が」「○○も」などで、

述語とは「××です」「××しました」といったものです。


文章が長くなると、どうしてもやってしまいがちなミスが、

「主語と述語の不一致」というものなんですね。


これは、拙著『「書く」マーケティング』(明日香出版社/1470円)にも

書いたことですが、例えば、こういうものです。

…………………………………………………………………………
 この食材は、毎朝、北海道から空輸されてきていて、
 お客様に新鮮なものをおいしく召し上がっていただくために、
 心を込めて調理しています。
…………………………………………………………………………


さて、この例文の主語と述語はどれでしょうか?


そう、主語は、「この食材は」ですね。


では、述語は?


「調理しています」ですね、パッと見は。


このように、主語と述語だけを取り出して見てみると・・・、

「この食材は調理しています」となります。


これって、変ですよね?

「この食材を調理しています」なら、変じゃないですけど。

つまり、これが主語と述語の不一致なんです。


じつは、こういうことって、上記の例文のように、

2つの文章を無理やり1つにしたときによく起こります。


上記の例文は、分解すると下記の2つの文章になります。


 1.この食材は、毎朝、北海道から空輸されてきています。

 2.お客様に新鮮なものをおいしく召し上がっていただくために、

   心を込めて調理しています。


それぞれの文章の主語と述語を見てみると・・・、


1番目の文章の主語は、「この食材は」で、

述語は、「空輸されてきています」ですね。

一方、2番目はどうかというと、

述語は、「調理しています」ですが、主語が見あたりませんね。

これが前回説明した「主語の省略」というものです。


じつは、種明かしをすると、上記の例文が

「主語と述語の不一致」を起こしていたのは、

2番目の文章の主語が省略されていたからなのです。


では、2番目の文章の主語は何なのかというと・・・、

それは「私たちは」とか「シェフは」とかです。


 2.お客様に新鮮なものをおいしく召し上がっていただくために、
   (私たちは)心を込めて調理しています。


となるわけです。


では、このような主語と述語の不一致を予防するには

どうしたらいいのかということですが、

それには次の2つの方法があります。


 1.主語と述語だけを取り出して読んでみて、

   おかしくないかをチェックしてみる

 2.無理に長い文章を書こうとせず、

   なるべく1つの文は短くすることを心がける


つまり、先ほどの例文で言うと、


…………………………………………………………………………

 この食材は、毎朝、北海道から空輸されてきています。
 お客様に新鮮なものをおいしく召し上がっていただくために、
 私たちは心を込めて調理しています。
…………………………………………………………………………


と、2つの文に分割するわけです。


ところが、です。


じつは、このように、ただ単に分割しただけでは、

なんだか単調な感じですよね。

そこで、プロはどうするのかというと・・・、

じつは、また一つの文に戻します。


こんな感じです。
…………………………………………………………………………

 私たちは、お客様に新鮮なものを

 おいしく召し上がっていただくために、
 毎朝、北海道から空輸されてくる食材を、

 心を込めて調理しています。
…………………………………………………………………………


これは、「○○は、××のために、△△を、□□しています」
という、基本的な型ですので、覚えておかれるといいでしょう。


■『あたりまえだけどなかなか書けない文章のルール』<9刷>
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