こんにちは。

文章コンサルタントの堀内です。


【第3回】 感覚的な表現は使わない


 本日は、あいまいさを排除し、誤解をなくす方法について
 ご紹介しましょう。


 2つあります。


 1つ目は、感覚的な表現を使わないこと。
 2つ目は、形容詞に注意すること、です。


 では、具体的に説明しましょう。
 

       *       *       *


 まず、1つ目の感覚的な表現ですが、
 たとえば、下線部分のような言葉です。


 ・折り返しご連絡しますので、少しお待ちください。
               ~~~~
 ・鈴木さんは大きな人です。
       ~~~~~~
 このような「少し」とか「大きい」といった言葉は、
 主観的なものであって、
 人によって感じ方が違うものなんですね。


 たとえば、上記の例で言うと、 
 「少し」を、「10分」と思う人もいれば、
 「1時間」と思う人もいるわけです。


 また「大きな」を、「180センチくらい」と思う人もいれば、
 「お相撲さん」のような体型をイメージする人もいますよね。

 あるいは、「心が広い」という意味に
 とる人もいるかもしれません。


 このような言葉を、安易にビジネスシーンで使ってしまうと、
 自分の真意が伝わらないだけでなく、
 トラブルの原因にもなりかねないのです。


 したがって、
 「少し」「たくさん」「大きい」「早い」「広い」・・・
 といった言葉を使う場合は、注意が必要です。


       *       *       *


 では、このような感覚的な言葉を無意識に使っていたのを
 校正の段階で発見した場合、
 どのように対処すればいいのかというと、


 感覚的な言葉を削除して、
 具体的な表現に変えることです。


 たとえば、先ほどの例で言うと、


 ・折り返しご連絡しますので、30分ほどお待ちください。
               ~~~~~~~~~~
 ・鈴木さんは身長180センチで細身の人です。
       ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 このように書き換えると、具体的になりますので、
 誤解が生じにくくなります。


       *       *       *


 あと、これは感覚的な言葉とは違いますが、
 誤解を生じさせないための文章技術として、
 「例示」というものがありますので、ご紹介しておきましょう。


 例示とは、文字通り、例を挙げて示すことです。


 たとえば、こういうときに使います。


 ・このノートパソコンの重さは2キログラムです。


 これを読んで、2キログラムがどれくらいの重さなのか、
 正確にイメージできた人はどれくらいいるでしょうか?


 おそらく2キロの感覚は、結構あいまいだと思います。

 そこで、例示を使うわけです。


 たとえば、次のような一文を添えます。


 ・このノートパソコンの重さは2キログラムです。
  2リットルのペットボトル1本分とほぼ同じ重さです。


 これを重いと感じるか、軽いと感じるかは、人それぞれですが、
 少なくとも、2キログラムの重さについては、
 2キログラムという数字だけのときよりも、
 具体的にイメージできるようになったと思います。


       *       *       *


 長くなりましたので、
 2つ目の「形容詞に注意すること」については、
 次回ご説明します。


 ということで、第3回は以上です。


 次回もお楽しみに。


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