負けへんで‼️
コロナ‼️
創作小噺シリーズ
第 65回
タイトル
《大阪へいらっしゃーい》
鰻屋、繁豊の主人、吉田豊一
「おい、来週の月曜日、みんなで大阪へ行かへんか?」
妻、恵子
「あんた、暑さで頭がボケてきたんと違うか?大阪行かへんかて、私ら住吉区に住んでんねん。大阪の端っこやけど、れっきとした大阪やがな」
豊一
「アホ、どこに住んでるかくらい、分かってるわいな」
恵子
「ほな、それでええけど」
豊一
「たまには、大阪の心斎橋にでも行こうや、コロナの 騒ぎで大変な時は、感染に気をつけて、店に客を入れなんだ、でも、うちは、うなぎ弁当を売らせてもろて、ずっと売れ行きも悪なかったがな、有難い。まあ、余ったうなぎ弁当は毎日、いや言うほど、食べたけど、お陰で忙しかったから、みなみや、きたのほうに全く遊びに出てない。おまえ、文枝さのいらっしゃーいキャンペーンを、ニュースで見たやろ?大阪に泊まったら、1人2500円もらえるねん」
恵子
「えっ、文枝さんから?」
豊一
「あほ、文枝さんからと違うがな、あの人ずっと仕事なくて困ってはったんや、大阪府と大阪市が出すのやがな、そやから、ワシとおまえと、婆さんと、娘と、4人で、ホテルに泊まったら、一万円もらえるねん。たまには、ホテルに泊まろう。おまえも楽やないか、後片付けはいらんし、ゆっくりできるで」
恵子
「どこに泊まるねん?」
豊一
「さ、それや、大阪に住んでて、大阪のホテルに泊まったことがないから、娘の、めりなに、パソコンで調べさそ、あいつは二十歳で毎日携帯いじってるから、それぐらいできるやろ」
恵子
「いやあ、ミナミ、ひさしぶりやわあ、高島屋で、絽の着物買いたいなぁ」
豊一
「おいおい、みんなで一万円いうの忘れたらいかんで、とりあえずめりなに調べさせよう!」
めりな
「お父ちゃん、お母ちゃん、ホテルはどこもいっぱいやで空いてるとこあらへんがな」
豊一
「えらいもんやなぁ、ちょっと文枝さんが言うただけで、凄いもんや、いっぱいか?どこのホテルでもええがな、いっぱいホテルでできてるて聞いてるで、もっと調べてくれや」
なんとか、道頓堀の西の端のホテルを見つけまして、現金、一万円持ちますと
道頓堀へ
豊一
「みんな、離れるなよ、えらい人やなぁ、婆さんマスクがずれてるで、どこへ行こう?」
恵子
「さつきから、あっちこっち歩いて、どの店もいっぱいやがな、予約を入れてないんかいな」
豊一
「そんなん。どんな店があるかわからんのに、どこもかもいっぱいや、寿司屋も、焼肉も、お好み焼きに、たこ焼き屋、串カツに、すき焼きも、御堂筋を西に渡ってみよう、和食も洋食も、うどんも、かやくご飯の店も、いっぱいやなあ」
恵子
「あんた、お婆さんが疲れてるねん。はやしてえな、なんでもええがな」
豊一
「ほな、ここの、鰻屋に入ろか」
おわり