負けへんで‼️
コロナ‼️

創作小噺シリーズ
36回



《タイトル》

同窓会



飯田
「もしもし、丹波か、飯田や」

丹波
「あのな、飯田」

飯田
「なんや」

丹波
「わしは、嫁さんに三年前に先立たれて、一人暮らしや、もしもし丹波か?て、丹波に決まっとるがな、アホと違うか」

飯田
「そうやけど、つい口癖でな、なんやえらい荒れとるな」

丹波
「これが荒れられられずにいられよか、ちゆうねん」

飯田
「一体、どないしたんや」

丹波
「どないしたもこないしたも、ここ2ヶ月ほとんど家におるねん。どこも出かけてない、内緒でパチンコ行ったろ、おもたら、息子の嫁に、見つかって、
どれだけ怒られたか、
近所の手前、格好が悪い、みんなが
我慢を強いられて、
歯を食いしばって頑張ってるのに
お父さん
何を考えてるんですか?
日本人のプライドはないんですか?言われてな」

飯田
「たいそうなや」

丹波
「一歩も外に出ないでください。
食事だけは
部屋の前に
置いておきますから
って
ワシは
座敷牢に入れられてるみたいでな、えらいもんが、はやるもんやなあ、この歳でこんなことになるとは、もう二度と
お前らとも会えんかもしれんと
思ったら、泣けてきてな。うっうー」

飯田
「丹波、泣くなよ、電話したのはな、ちょっと楽しいことをしようと思ってな」

丹波
「この世に、楽しいことなんて何もないわ!」

飯田
「そんなこといいないな、おい、小学校の同窓会をやろう。長いことやってないから、
今年は、小学校出て
ちょうど48年や」

丹波
「中途半端やな」

飯田
「ほとんどが、還暦や、ともに還暦を祝って、皆で集まりたいなと」

丹波
「飯田、お前アホと違うか、そらあっちやこっちやで店は営業しだしてる。
けど集団で集まったら行かんねん。息子の
嫁さんに、出してもらわれへんがな」

飯田
「いやいや、それはええねん、お前は出んでもええねん」

丹波
「どういうこっちゃ、いうだけ言うて冷たいこと言うな、出んでもええねんて、のけもんか」

飯田
「違うがな、東京のやつとか」

丹波
「大塩に内田に、大谷か」

飯田
「名古屋の、金沢や、九州小倉におる、綿貫やらにも集まってもらうから」

丹波
「あほか、いまは、県をまたいだらいかんねん。不要、不急でないのに県またいで大阪にきたら
捕まるで」

飯田
「大丈夫、絶対捕まらへん」

丹波
「意味わからんわ、捕まれへんにしても、ほとんどは大阪におるけど、地方から来るもんが
そんな怖いことようせんで」

飯田
「同窓会は、オンライン同窓会や」

丹波
「なん やそのライオン歯磨きみたいな、同窓会は」

飯田
「つまり、お前は家から一歩も出んと
同窓会をするねん」

丹波
「あかんで、うちに来られても、第1そんな広い部屋あらへんがな、息子の嫁が
怒りよるで」

飯田
「大丈夫、お前の家には行かへん」

丹波
「どこにいくねん?」

飯田
「どこにも行かへん、みんなそれぞれの家におって、顔見ながら、昔話に花を咲かすねん」

丹波
「なんやて、それぞれが家で」

飯田
「そうや、アプリでズームちゆところへ行って、それぞれがリモートで参加するねん」

丹波
「なんや、そのアプリて?あぶり出しみたいなもんか?」

飯田
「家にパソコンはあんねやろ?」

丹波
「息子がつこてる」

飯田
「みんなに、手紙で日にちと、時間と送る、それでどうしたら画面に入れるか、詳しく書いとくから、息子さんに聞いたら、
簡単にしてくれるわ、適当に、飲みもんと食べるもん持って、
オンライン同窓会やろう」

丹波
「いまいち、ゆうてることがわからんけど、画面に、東京のやつや、北海道のやつや、九州のやつも顔が映るのか」

飯田
「そうやがな、久しぶりにそれぞれの元気な顔を見せ合おうや、ほんなら丹波、頼むで」






飯田
「なんや、時間になっても、だれも入ってけえへんがな、携帯電話でもできるて、書いたんやけど、どないなってんねん?
丹波に電話したろ、もしもし」

丹波
「もしもし」

飯田
「はいってけえへんで、顔が写ってないぞ」

飯田
「ゆうべも、息子に何遍も聞いたんやけど、なんか、いらんとこ押したんか、さっぱりわからんねん。さっきも名古屋の金沢から
電話があって、
娘に教えてもろてるけど、うまいこといかんねんて、
飯田」

飯田
「なんや?」

丹波
「とりあえず、家まで来てくれや」





おわり