負けへんで!
コロナ!
創作小噺シリーズ
第26回





タイトル
《小学校》




教頭
「校長先生!」

校長
「教頭先生、何か?」

教頭
「金子PTA会長から電話が入っています。
おそらく、学校再開の件だと思います。
いやあ、なかなか
簡単にいかないのが親御さんに、わかってもらえないのが辛いですね」

校長
「そうなんだよなぁ、小学校の場合、だいたい家で子供見てるのは年寄りが多い、疲れてきてるんだろうなぁ、
再開を早くというのもわかるが
きちんと出来てないと行政の許可が下りないからならな。
とりあえず電話を
こちらへ回してもらいましょうか」

教頭
「はい」

校長
「お電話変わりました。金子会長、校長の楠本です」

金子
「テレビではね、三密を避けて、いろんな工夫をしながら、学校を再開してるてころが多いじゃないか、
小学校6年生と
1年生。
なんとかしないと
問題が多いんじゃないのかなぁ」

校長
「はい、この時期になってまだ、入学式もやってないんでね」

金子
「せめて、なんとか入学式だけでも、3回くらいに分けて、講堂で、父兄も人数制限をしたら、三密を避けられるんじゃないのか」

校長
「はい、我々も毎日、ネット通信で先生方と相談して、
おりまして、早く出来るように、考えておりますので、
すぐにでも再開いたします。
とにかく
子供さんが楽しみにしている
入学式だけでも」




教頭
「校長先生、だいたいまとまりました」

校長
「本当に
金子PTA会長はうるさいからなあ、まいるよ。
でもマスクと消毒液の寄付を
沢山してもらってるからなぁ」

教頭
「とりあえず、来週の月曜日、3回に分けて、あいうえお順から、3つに分けて、一回が40人程度
かなり椅子の間を開けて、講堂で入学式をやるつもりです。
当日は出来るだけ早く、手短に
と、考えております。
いつもの在校生の挨拶とか
校歌を抜いて、
校長先生と
楠本PTA会長の挨拶だけで、
市長、知事、区長の挨拶も抜きで、向こうも忙しいでしょうから、
もちろん正門で
検温を行なって、消毒も
その配置も決めました。
教育委員会からの許可もおりましたので、とりあえず
入学式を」

校長
「ご苦労様、じゃそれで、入学式だけでもやろう。
とにかく父兄からの突き上げがうるさいから」

教頭
「まあ、初めて、小学校に上がるんですからね、みんな喜ぶと思います」


当日



教頭
「校長先生、かなりマスコミの取材が正門あたりにおりまして、もちろん縄を張って、近づかないように、とにかく親御さんはとても喜んでいます。
せっかくですから父兄
二人まで行けそうですので、
ただ、やはり、感染が心配だからと欠席の生徒が20人ほど
おります」

校長
「まぁ、 それは想定内だな、少なくなって、いいじゃないか、講堂の換気、消毒は出来てるね」

教頭
「それは、大丈夫ですが」

校長
「なんだ?」

今日
「金子PTA会長が年齢的なものもあって、感染のリスクが高いから、欠席したいと」


校長
「想定外だなぁ」



おわり