負けへんで!コロナ!
創作落語シリーズ
第11回



タイトル
《紅白試合》




コーチ
「今から、紅白試合を始める、始めるにあたって、いろいろ監督から注意点があるから、よく聞いて、覚えられないものはメモするように、それでは監督、ピッチャーマウンドの方に」



山村監督
「みんな、今、プロ野球がなかなか公式戦のスタートがいつになるか、
わからない状態です。
しかし、我々、京阪神タイガースは今年こそ優勝を目指したい、早く実戦に慣れるように、今から紅白戦を行う。
あらかじめコーチ陣と決めたように今、別れてもらってる、一塁側に紅組、三塁側に白組。両チーム、実戦のつもりでしっかりやって欲しい。
ただし、今スーパーマーケットで、問題になってる三密、
三密わかるね、
密閉
密集
密接
これをしっかり守って試合を進めたい。
開幕までに
感染者を出さないために
コーチ陣、フロントと決めたのでよろしく。
各チーム
選手は20人ずつにしぼってるから、ベンチでは、必ず1席ずつ開けて座るように、いま、座ってるね。
いいか
紅組先行とします。
チェンジの時は
相手チームがベンチに帰ってから、飛び出して守備につくように、
いいね。
質問のあるもの、ベンチの前に出て、大きな声で聞いてくれ」

田島選手
「はい、監督」

監督
「なんだ?紅組の田島、ベンチの前に出て、大きな声で言ってくれ」

田島選手
「試合は、普通にやればいいのですか?」

監督
「いい質問だ、いいか、打って、それがヒットになっても、走るのは半分で良い、一塁でファーストと密接するといかんから、とにかく密集、密着は気をつけてくれ!密閉の方は、
ここ、広辞苑球場はドームじゃないから安心していい。ヒットかどうかは、主審に全てアウト、セーフ、2塁打、3塁打とか、決めてもらうから」

田島選手
「監督、ホームランも走らなくて良いのですか」

監督
「ホームランの時だけは、やはりホームランを味わってもらうために、ベースを回ってもらう。その際、守備のファースト、セカンド、サードはベースから3メートルは離れるように、いいね。
ホームベースでの味方のタッチも、集まるのもなし、ベンチへ帰ってのハイタッチもなし。わかったか?
普段とは勝手が違うが、
実戦のつもりで真剣に
必ず両手にゴム手袋をしておくように
交代ごとにベンチに戻ったら、手洗いを忘れるな!
では、
今から紅白戦を開始する」


いよいよ、
三密に
しっかり気を使いながら
それでも真剣に
試合をやりまして
9回終わるまで、かなり時間がかかりましたが



監督
「みんな、ご苦労様、みんな頑張って、
よく三密を守ってやってくれた。10対8で紅組の勝ち、勝った紅組には、私が掛け合って、球団から、50万円、紅組のチームに渡すから」



と言いましたら


わーい!
紅組全員抱き合って
喜んでおりました。


あかんがな!



おわり




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