陣 聖人
そう名乗り
奴は僕の横へ座った。
「初めまして!さっきのネクロスって言うのは、なんかの挨拶かい?」
冗談交じりに、嫌になるくらいさわやかな笑顔で僕を見つめた。
クラスの女子はそんな彼にお近づきになりたいのか
様々なアピールをしている。
「犬飼君!当分、陣君と一緒に行動してあげてね!!」
何で僕が!?と言いたかったが彼女は話を続けている。
「だって~、転向してきて一番不安なのはやっぱ友達関係だしね!それにあんな挨拶してるんだから(笑)」
「宜しく!犬飼君!」
休み時間になると、一斉に彼を取り囲んだ。
前の学校のこと?
住んでるところ?
趣味?
好きな食べ物?
話は尽きない。
それに対し笑顔で答える
ネクロ、いや陣と呼ばれる男。
「陣君!今日は私達が食堂を案内してあげるよ!」
「ごめん今日は・・・」
「あ!もしかして、お弁当?」
「違うんだ。今日は先に犬飼君とご飯を食べようと思ってて」
その瞬間
時間が止まった気がした。
誘った女子も周りを囲んでいた男子も
皆目を丸くしてる。
でも、それ以上に僕が目を丸くした!
「犬飼君は僕達と食事をする約束だったんだが・・・」
芹沢が割って入った。
僕は芹沢の嫌な部分を一番知っている。
クラスでは人気者。
だが、影の番長。
この発言がどういう意味だか、きっと陣にはわかっていないだろう。
「そうですか。ならば、一緒に食事をさせてください。」
その発言に芹沢は戸惑った。
満面の笑みで陣は返事を待つ。
「芹沢君ごめん。僕今日は陣君と食べるよ。」
そういうしかなかった。
なんだか不思議な空気のまま
授業が始まろうとしていた。