監督 マティス・ヴァン・ヘイニンゲンjr.
脚本 エリック・ハイセラー
原作 ジョン・W・キャンベル
撮影 ミシェル・アブラモヴィッチ
編集 ジュリアン・クラーク、ジョノ・グりフィス、ピーター・ボイル
音楽 マルコ・ベルトラ三
出演 メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジョエル・エドガートン、ウルリク・トムセン
2011年 アメリカ/カナダ 上映時間 104分
ハワード・ホークスが監督した「遊星よりの物体X」(1951年度作品)は、30年後に、
ホラー映画の鬼才ジョン・カーペンター監督によってリメイクされましたが、
その切っ掛けになったのは、舞台になる閉ざされた空間を、南極基地から宇宙船に変えた
宇宙版「エイリアン」のヒットがあったからです。
2度目のリメイクになる本作は、氷の中から物体を掘り出す過程や、物体の扱いについて
科学者が対立する構図が、ホークス版に近いものになっている点や、主人公が女性で、
舞台がノルウェー基地である等カーペンター版とは趣きが異なる作品になっていますが、
隊員たちが物体に襲われて同化していく恐怖は、カーペンター版をリスペクトした悍ましい
内容になっています。但し、本作はSFX技術に関しては進化しているのですが、
緊張と緩和のバランスに秀でた、カーペンターの演出術には遠く及ばず、2番煎じの感は
否めませんでした。
最後に、本編終了後に、カーペンター版を観た人にだけ分かる、アッと驚く展開が
用意されています。 ネタバレしたレビューが多いので、初見の方はご注意を。