皆さんごきげんいかがでしょうか?

43才Mrガチぼっちの「ありのこ」です。

 

今回は映画(洋画)のレビューです。

 

取り上げるのは

 

2019年公開の映画「ジョーカー」

 

です。

 

「いまさら!?」って思われるかもしれません。

 

3月11日に「THE BATMAN-ザ・バットマン-」が公開されました。

ジョーカーはバットマンシリーズに出てくるので、ちょっと気になって。

 

2019年の映画「ジョーカー」についてレビューを書きます。

ネタバレなしなのでご安心ください。

 

先に書いておきますが、私は「ジョーカー」に対して肯定的です。

「おもしろかった」と思います。

 

先に書いておきますが、「マクロの視点」と「ミクロの視」点からレビューを書きます。

 

マクロの視点は「国家の視点」です。

ミクロの視点は「個人の視点」です。

 

 

<もくじ>

 

・映画「ジョーカー」はなぜ1981年なのか?(マクロの視点=国家の視点)

・心優しきおじさんの悪堕ち、リアリティはある?(ミクロの視点=個人の視点)

 

 

 

○映画「ジョーカー」はなぜ1981年なのか?(マクロの視点)

 

wikipediaによると

 

「舞台は1981年のゴッサム・シティ」

 

とあります。

 

ゴッサムシティはアメリカの都市。

バットマンシリーズに出てくる架空の都市です。

 

では、1981年に意味はあるのでしょうか?

 

1981年にアメリカで起きたことは?

 

1981年に共和党のレーガン大統領が就任しています。

 

レーガン大統領の任期は1981年~1989年。

そう、1980年代のアメリカはレーガン大統領の時代だったのです。

 

レーガン政権の特徴の1つ。

それは「レーガノミックス」と呼ばれた経済政策です。

今では「レーガノミックス」は「新自由主義経済」の扱いをされています。

 

レーガノミックスは「金持ちに有利・貧乏人に不利」だと言われます。

 

まず減税をします。

減税ってお金持ちに有利です。

貧乏人は納めるべき税金が(あまり/ほとんど)ありませんから。

 

規制緩和もやります。

規制緩和もお金持ちに有利です。

規制緩和した産業に参入してお金儲けをするには資本が必要です。

 

他方、福祉予算は削減します。

「小さな政府」と呼ばれる政策です。

これは貧乏人に不利です。

 

映画「ジョーカー」で主人公アーサーは「緊張すると発作的に笑い出す」という病気を持っています。

しかしアーサーは市の福祉予算が削減され治療が受けられなくなります。

 

ゴッサムシティはアメリカ合衆国のミニチュア版なのだと思います。

1981年=「金持ち有利・貧乏人不利」時代のアメリカ合衆国のミニチュア版

 

○心優しきおじさんの悪堕ち、リアリティはある?(ミクロの視点=個人の視点)

 

映画「ジョーカー」はアマゾンのレビューで4.1点でした。

5点満点なので高評価です。

 

しかし中には「コレでもか!」とボロクソに書いているレビューもありました。

 

私が見るかぎりレビューをボロクソに書いているのは2つのパターンがありました。

 

①いままでのジョーカーのイメージと違う

②これくらいの災難は普通にある。こんなんでガチクソひどく悪堕ちするのはリアリティがない(⇒気分が悪い)

 

「①いままでのジョーカーのイメージと違う」は映画「ダークナイト」のイメージが強いようです。

 

 

 

 

私は映画「ダークナイト」を観ていないので①は触れません。

 

②これくらいの災難は普通にある。こんなんでガチクソひどく悪堕ちするのはリアリティがない(⇒気分が悪い)

 

うぅぅぅんんんー、ご覧になった皆様どうでしょうか?

 

私はむしろ「リアリティがある」と思います。

 

私は43才Mrガチぼっち。

 

これだけ生きていると分かるんですよね。

「弱り目にたたり目」の恐ろしさが。

 

自分が悪くなくても「弱り目にたたり目」が襲ってきて、しかも対応策がない。

 

まさに「人生が詰む」。

 

色々な不幸が1つずつ別の時期に来れば、(なんとかでも)対応できます。

しかし不幸が同時にくると対応不能になる。

こういうことは「誰でも」起こりえるんですよね、本当に。

 

映画「ジョーカー」の主人公はwikipediaで「心優しき道化師アーサー」と紹介されています。

 

映画「ジョーカー」は

 

「心優しき道化師アーサー」とがものすごく極たんに悪堕ちする物語

 

です。

 

道化師とはピエロのこと。

主人公アーサー(若くはない=おじさん)は派遣ピエロの仕事をしています。

将来はコメディアンになる夢を持ちながら安い給料で派遣ピエロの仕事をしています。

 

ピエロ姿で病院の小児科病棟に行って面白い動きをして子どもを笑わせたりします。

ほかには町中(まちなか)でピエロ姿をして看板を持って宣伝をします。

 

しかし心優しき道化師アーサーに不幸が。

 

町中でピエロ姿をして看板を持っていたら、悪ガキども看板を壊されます。

そしてアーサーもボコボコにされます。

 

で、雇い主から怒られます。

「看板はどうした!給料から差し引く!」と言われてしまいます。

アーサーおじさんはなにも悪くないのに。

 

この「大したことがない」ようなことから心優しきアーサーに色々な不幸が襲いかかり、ものすごく極端な悪堕ちをします。

 

「マクロの視点」で書きましたが、アーサーは「緊張すると発作的に笑う」という病気を持っています。

さらにアーサーは「ちゃんとした文章が書けない」ようです。

 

私は英語ができないのでよくわかりませんが、岡田斗司夫さんによると「学校に行けなかったので文章が書けなのではなく、能力的に問題があるタイプ」なのだそうです。

 

ということは「まともな文章を書けないのは、自分の努力では改善できない」わけですね。

 

 

となるとアーサーおじさんには2つの点でハンディキャップを持っていることになります。

 

①緊張すると発作的に笑うという病気を持っている

②まともな文章を書けない

 

さて例として「失業」を考えてみましょう。

 

アーサーおじさんが失業するとどうなるでしょうか?

 

①緊張すると発作的に笑うという病気を持っている⇒接客業はできない

 

アーサーおじさんが接客業をやりたいかどうかはわかりません。

選択肢として最初から存在しないのです。

 

自分がお客さんだったらどうですか?

急に店員さんが笑いだしたら・・・「てめぇ!なめているのか!」となります。

 

②まともな文章を書けない⇒知的な仕事には就けない

 

知的な仕事をするには「文章を読める/まともな文章を書ける」が最低ボーダーラインです。

アーサーおじさんに知的な仕事は無理です。

 

今の日本を考えてください。

「緊張すると発作的に笑う病気を持っていて、まともな文章を書けない」人をそんなに簡単に雇いますか?

しかも「おじさん」ですよ。(私も43才のおじさんです)

 

しかも1981年でレーガン大統領による新自由主義経済がスタート。

弱者の味方になるはずの福祉は予算を削減し、世の中は「格差拡大」に向かいます。

 

病人は「弱り目にたたり目」の「弱り目」を常に1つ持っている状態です。

 

私は潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)という病気を持っています。

難病指定されている病気で、安倍晋三元総理と同じ病気です。

 

普通の人に1つ不運が襲ってきた。

その人が今持っている不運は1つです。

 

病人に1つ不運が襲ってきた。

その人が今持っている不運は2つです。

もうすでに「弱り目にたたり目」です。

 

 

普通の人に2つ不運が襲ってきた。

その人が今持っている不運は2つです。

ここでやっと「弱り目にたたり目」です。

 

普通の人に2つ不運が襲ってきた。

その人が今持っている不運はなんと3つです。

「弱り目にたたり目」でも恐ろしいのに、それを超えたトリプルパンチです。

 

ということで私は

 

心優しきアーサーおじさんの極端な悪堕ちにはリアリティがある

 

と判断しました。

 

さっき書いたことをもう1回書いておきます。

 

これだけ生きていると分かるんですよね。

「弱り目にたたり目」の恐ろしさが。

 

自分が悪くなくても「弱り目にたたり目」が襲ってきて、しかも対応策がない。

 

まさに「人生が詰む」。

 

色々な不幸が1つずつ別の時期に来れば、(なんとかでも)対応できます。

しかし不幸が同時にくると対応不能になる。

こういうことは「誰でも」起こりえるんですよね、本当に。

 

 

◎あわせて聴きたい~映画【ジョーカー】人生の残酷さというリアリティー

 

スタンドエフエム(スタエフ)で今回のテーマを音声配信しています。

 

「マクロの視点=国家の視点」でこのブログは書きましたが、音声配信では「マクロの視点=国家・グローバルの視点」となっています。

 

このブログでは書ききれなかったことも話しています。

興味があれば、ぜひお聴きください。

 

⇓音声配信⇓