ちょうど1週間前の「アメトーーク」にて「ありがとう品川」という企画をやっていた。

有吉弘行さんに「おしゃべりクソ野郎」と言われたあたりから有吉弘行さんの人気が急上昇して、品川祐(しながわひろし)さんの人気が急下降した。(通称「おしゃクソ事変)」)

 

 

 

 

そもそも品川祐さんの態度が悪いからスタッフや共演者から嫌われていた。

 

「ありがとう品川」をプレゼンした出川哲朗さんが、街に出て品川祐さんについてインタビュー。

すると意外なことが判明する。

 

若い人(10代)の多くが「品川祐??誰????」だったのである。

嫌われている以前に認知されていない・・・。

知っている人も「興味がない」を連発。

 

 

嫌われているうちが華。

芸能関係では「悪名は無名に勝る」とよく言われる。

良いか悪いかは評価の対象だが、忘れられたら評価の対象にすらならないのである。

 

品川祐さんに対する街の声

 

最近「フランス革命」に関する本を読んだ。

「物語 フランス革命」という本を読んだのだが、フランス革命勃発からナポレオンが政権を獲得するまでフランスは激動の時代だった。

 

 

正しいことがコロコロ変わるのだ。(政権交代が相次ぎ、政権についた側の主張が正しいこととなる)

そんな時代に長い間生き残った政治家がいる。

変節漢の権化「ジョゼフ・フーシェ」である。

 

テルミドールのクーデター

「ギロチン連発男」ロベスピエールが失脚

そして自分がギロチンにかけられた

 

そんなジョゼフ・フーシェを取り上げた本がシュテファン・ツヴァイク著「ジョゼフ・フーシェ」。

この本によればさすがのジョゼフ・フーシェも最後は政治の世界から追放され晩年をフランス国外で過ごしたそうだ。

 

それでもこの激動の時代を政治的に生き残ったのは大したものである。

フランス革命共和制政府(政権を取った側にコロコロ寝返りまくる)→ナポレオン独裁政府→王政復古政府(処刑されたルイ16世の弟ルイ18が国王)にお仕えできたのだから。

 

激動の時代を生き残ったカメレオン並みの変節漢・ジョゼフ・フーシェの晩年についてシュテファン・ツヴァイクは次のように書いている。(紫字部分はシュテファン・ツヴァイク「ジョゼフ・フーシェ」p407より引用)

 

彼が世界の檜舞台をあとにしてから僅か(わずか)に3年しかたっていないのに、どんな役をさせても鮮やかな腕前を見せていたこの偉大な名優が、世人の記憶から忘れ去られてしまうのにじゅうぶんだったのであり、ガラスの棺のように、沈黙が彼の上をおおうていたのである。

 

オトラント公爵(引用者注 フーシェのこと)というものは、もう世界にとっては存在しないのであって、疲れ切った怒りっぽい、孤独な、他所(よそ)ももの1老人が、ぶつぶつ言いながらリンツの町を散歩しているに過ぎなかった。

 

 

 

悪名でもいいから忘れないでほしいというのは芸能だけではなく、政治の世界でも同じか。

否。

 

大半の人にとって自分が忘れ去られることはものすごい恐怖なのだ。