元フジテレビプロデューサーの横澤彪氏が亡くなられたそうです。

去年「爆笑問題のニッポンの教養」と言う番組にて出演されていました。

横澤氏の「(発想のもとになっているのは)少数派ですよ。絶対多数派にいつかない」と言うコメントをこのブログでも取り上げました。(「「ひょうきん族」以降革命が起きてないように見える」)

残念ながらこの「爆笑問題のニッポンの教養」が最後のTV出演になってしまったようです。

このようなかなりマジメな番組が最後の出演になったと言う事は、ご自身の最期を覚悟した上での出演だったのかなと想像してしまいます。

「今の日本に、今後の日本に、何か伝えたい事」があったのかもしれません。


「「ひょうきん族」以降革命が起きてないように見える」でも述べましたが、横澤氏が作った「ひょうきん族」はそれまでのバラエティ番組をひっくり返した思います。

ドリフや欽ちゃん式を隅に追いやり、新しい主軸を打ちたていまでもその流れは続いている。

今やっているバラエティ番組はどんなに変化しているように見えても本質的には「ひょうきん族」のDNAが強く引き継がれているように感じます。

横澤氏が「ひょうきん族」を作った時代と日本の絶頂期が重なるのが気になるところです。


1980年代日本はjapan as no1と呼ばれ、「look east 」とまで言われた。

ソニーはウォークマンを作り世界をあっと言わせた。

金にものを言わせて脈略も無く世界の資産・芸術品を買いあさって入りしてひんしゅくを買ったのも事実だけど、かなり価値のある斬新なことをする人たちもかなりいたのだろうと思います。

しかしバブルが崩壊。

日本はあらゆることでバブルまでの遺産で食いつなぐ事だけで精いっぱいとなり20年を経過。

リーマンショックでその遺産は完全に食いつぶしてしまった。

japan as no1はjapan 「w」as no1になる。

こんな状況ではもはやjapanはバッシングすべき対象すらではない。「パ」ッシングして良い存在になり、最後は「ナ」ッシングになる。

「look east」があるとすれば「日本を見習え」から「日本みたいになるな」へと180度逆転。

実際G2と呼ばれるアメリカも中国もこのような見方をしているようです。

アメリカも経済を分かっている人は「リーマンショック後の処理に手間取るとバブル崩壊後の日本みたいにとんでもない事になる」と思っていたみたいです。

中国が元切り上げをしないのは「プラザ合意 が日本衰退の原因」と見ている事も一因ではないかと言われています。

当時の関係者が中国に行くと「プラザ合意の経過」(アメリカの圧力は相当だったのか?etc)を良く聞かれると言う話を読んだことがあります。(確か日経新聞記事)


このような経済的なブザマな状況の日本。

ブザマになればなるほど寄るべき大樹がないのに多くの人が「寄らば大樹の陰」になってしまう。

大樹に寄りかからなかったとしても「多数派」に所属しようとなる。

こんな状況を憂いて横澤氏は「少数派」を肯定するコメントをしたのではないか。

これは勝手な想像ですが、私はこの様に解釈しています。

若者に人気がある爆笑問題が出ている番組でありながらマジメなことを言う事を許される「爆笑問題のニッポンの教養」が最後のTV出演になった(最後のTV番組に選んだ?)横澤氏。


この番組を見た若者たちは横澤氏のコメントをどのように受け止めるのだろうか?

いずれ近い日にこの番組内における別のコメントについて記事にしたいと思います。


横澤氏のご冥福をお祈り申し上げます。