前のブログ に続いてふと見たくなってほこりをかぶっていたDVDを取り出して見た映画「千と千尋の神隠し」について。
ジブリのプロデューサー鈴木敏夫氏によると「千と千尋の神隠し」について次のように述べています。
僕の友人にキャバクラというところが好きな人がいて、面白いことを教えてくれたんです。「キャバクラで働く女の子ってね、日常的には引っ込み思案で、人としゃべるのが下手だったりする娘(こ)がじつは多いですよ」って。キャバクラでは、黙っていては仕事にならないから、仕事として話さなければならないわけですが、そうしているうちに自分を回復して元気になっていく、と。「千と千尋」をつくるとき、どういう話にするべきかで宮崎が悩んでいたので、この話をちょっとしてみたんですね。そうしたら僕の方を見てニコっと笑って「鈴木さん、それだよ」って笑ったんです。
だから露骨な言い方をしてしまえば、あのお風呂屋さんと言うのは一種の「風俗」なんですよね。そういうところへ下働きに行った女の子の話。働きながら、湯婆婆(ゆばーば)とかハクとか、いろいろな人に出会い、自分を回復するという物語です。
(青字部分「プロフェッショナル 仕事の流儀4」p32~33より抜粋)
甘ったれの女の子が無理やり異次元の世界に放り込まれて自分を回復していく。「千と千尋~」はそういう映画だったんですね。
千尋は無理やり強制的に異次元に放り込まれてしまいましたが、キャバクラ嬢のように「自分で自分を無理やり苦手分野に引き込み、苦手なことをやらざるを得ないような状態に持っていく」と言うのもひとつの方法論です。
その一番の方法が「仕事」なんです。もう「やらざるを得ない」。
「キャバクラ嬢なのにしゃべれません」って言うのは話にならない。
給料泥棒、店にとってイメージダウン→消えてくれ という話になります。
だからやめない限りは人と話さざるを得ない。
苦手な部分を直したい場合、キャバクラ嬢のように自分をその苦手部分を必要とする仕事に就くと言うのはひとつの方法論です。
千尋は自分の意思でそういう世界に行ったわけではないですが、キャバクラ嬢はお金に困ってと言うのではなけば「人と話すのが苦手」を直すために自分の意思でキャバクラ嬢になっているわけです。
恐るべし、キャバ嬢の向上心!
公務員の仕事だって人と話さなければなりません。苦手でもやらざるを得ない。
そうやって苦手を克服せざるを得ず、苦手なことに免疫ができてきます。
イヤイヤでもやらざるを得ない。
だからニートはダメなんです。
自分の居心地の良いことろから出てこない。
自分の苦手なことをやる機会がない。
働いて嫌な事にぶち当たったら千尋のことを思い出してみるのもよいのではないでしょうか?
<あわせて読みたい1~千と千尋の神隠し、千尋のぎこちなさ~>
このブログ記事の冒頭で「前のブログに続いて」と書きました。
その「前のブログ」です。
みなさん、ぎこちない人を暖かく見守る余裕があるでしょうか?
<あわせて読みたい2~「紅の豚」について~>
宮崎駿監督のジブリ作品「紅の豚」についてブログ記事を書いています。
43才にして初めて「紅の豚」を観た話です。
興味があればぜひご一読ください。
<あわせて聴きたい~映画と教養~>
<あわせて読みたい2>でブログ記事にした
「紅の豚」から考える映画と教養
についてスタエフで音声配信しています。
興味がある方はぜひお聴きください。
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