ぶんなげPrj第二弾は7月に発表された産総研の研究成果に
着目しました。(作品制作が遅くなり恐縮です汗)


アカトンボがどうして赤くなるのかを解明
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120710/pr20120710.html

※オープンアクセスの論文はこちらに掲載されています。
 http://www.pnas.org/content/109/31/12626
 (Supporting Informationは一見の価値あり!!)
 新聞報道や紹介記事等々の情報はこちらにあります。
 http://staff.aist.go.jp/t-fukatsu/News.html


さて記事の通り、アカトンボの体色変化の仕組みが
色素の酸化還元状態の変化である事が解明されました。


オモクローム系色素が酸化型から還元型へ変わることで、
光の吸収波長がシフトし、赤く見えるわけですね。


また、色素自体が抗酸化性(antioxidation)を持つことから
婚姻色としてだけでなく、太陽光による酸化ストレスを
軽減する役割も担っている可能性が示唆されました。


今後更なる研究により、他の生物の体色変化メカニズムや
抗酸化状態を維持するしくみの解明などが期待されます。



今回はちょっと内容が難しかったかも知れませんあせる
ここでアカトンボのお話を少し。


アカトンボの代表とされるアキアカネは
暑い夏を山で過ごし、秋になって平地に帰ってきます。
元は北国の種で、高温は苦手のようです。


暑い日にはお尻を太陽に垂直に立てて止まります。
なるべく太陽に当たりたくないけど、
縄張り維持のため目立ちたい!という気持ちの両立だとか。


アキアカネが激減してるとの悲しいニュースも聞きますが
未来の子供たちが「アカトンボって何?」とならないよう
心から祈っております。



そんなわけでございまして、
「Antioxidation」はアカトンボの色素のお話でした。


長文となってしまいましたが
この曲に関しましては、次回のブログでも引き続き、
主に制作面についてお話ししようと思います。



※参考文献
「へんな虫はすごい虫」安富和男 著 講談社
「虫たちの生き残り戦略」安富和男 著 中央公論新社