自宅に向かっている途中、ハイヤーがある道を通った。人気の少ない寂しげな道。歩道の車道側には木が植えられ、並んでいる。街灯も少なく、明かりの灯火も薄い。懐かしい場所。ホテルから自宅に向かう途中にあるレンガ造りの建物が並んでいて、歴史を感じさせる。ニューヨークにあるような建築物が並ぶ。短い階段もある。地下のベースメントの窓が、地上の位置にある。歩いている人が石を蹴ったりしたら、窓に当たりそうだ。昔外国に住んでいた時、ベースメントで生活していたこともあるけれど、田舎街だったこともあり、周りは静かな住宅街で、時々リスがベースメントの窓に顔を覗かせ、走り去る音で気がつく時もあった。懐かしい想いで。しばらくすると、建物の前にある短い階段に座っている、制服を着た中学生ぐらいの男子が三人、話しているようだった。丁度以前その建物に住んでいたこともあるせいか、彼らは何をしているだろうかと思った。ハイヤーが進むにつれ、彼らに近づく。真ん中に座っている彼は、昔の自分にそっくりで、タイムスリップでもしたかのようだった。三人がこちらを見ている。真ん中の彼と視線が合う。黒いスモークのため、向こうからはこちらは見えていない。彼らを通り過ぎ、信号が赤になった交差点で、ハイヤーが一時停止する。背後からの視線がやたら痛く感じた。青に変わった信号で、ハイヤーが再び動きだす。本当はあの場所で停めて、少し降りたかったけれど、彼らがいたことで止めた。運転手が、今夜は降りられないみたいだ、と言うような雰囲気すらださなかったため、改めてプロとして賞賛したくもなった。

「寂然2」

続きを書いたら、小説ブログのスピンオフに。ただ、全ての小説において、まもるがモデルになってることが大半なので。そう言えば去年の衆院解散により、提出されてた風営法改正案は廃案になったようで、未成年の入店可能と朝までクラブはまだまだ先になるかもしれません。