韓流にそこまで興味がなかったとはいえ、ドラマの女優や女子アイドルを妄想の対象にしたり、韓国のものがオシャレだなと感じたりした時期があった。中・高校生の頃だね。当時の中国では本場の韓国料理が滅多になかったが、韓国焼肉が随所見られるものだ。


ある日、僕の強烈なススメで家族で韓国焼肉を食べに行った。ちょうどランチタイムなのに、その店に客が一人もいなくて。


「まずいからじゃない?他のもの食べたらどう」と提案した母に、「ここにしようよ」とゴリ押しをした。


結局、本当にまずかった。肉も野菜も小鉢の料理も。サービスも最悪。食べている最中に、冷蔵庫などの設備を外に運んでいる店員さんに「何やってるの」と聞いたら、「今日は最後で、明日は閉店日ですよ」と言われた。


こんなにまずいなら経営不振に決まってんじゃんと思いつつ、「客が多い店は大体美味しいよ」という母の経験に頷いた。