ワラビサコです。
文具を使ったアナログゲーム「BUNGU SQUAD」を作っています。
この連載では、文具とAIを掛け合わせて、思考や創作がどう変わるのかを小さく実験しています。
今回は「鉛筆で書き殴ったビジネスアイデアの断片を、AIにまるごと渡してビジネスモデルに組み立ててもらう」という実験です。
もともとは「消しゴムで半分消して、残りだけで考える」という実験を企画していたのですが、実際に書いてみたら紙面がすでに構造的すぎて、機械的に消しても面白い化学反応は起きなさそうだなと。
方向転換して、AIに「足し算」してもらうことにしました。
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お題:「美容院の待ち時間を"むしろ目的"にする新サービス」
AIに出してもらったお題がこれでした。
制限時間3分で、このサービスに必要な要素を思いつく限り鉛筆で書き出しました。
その結果がこちら。
書き出した内容はこんな感じになりました。
・時間:30〜120分? → 昼間〜夕方
・ターゲット:女性多め。 → アイドル / 韓流 / 推し
・男性は? → マッチングアプリ、婚活
・美容師さんの新たな収益 ・場所貸し
・NG:食事は相性×
・体験:動画 → 限定 / アニメ
・勉強
・占い
・マッサージ
・ゲーム
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AIが紙面から読み取ったこと、そしてビジネスモデルへ
この画像をAIに渡したところ、まず指摘されたのは思考の順番でした。
サービスの中身(占い、マッサージ……)より先に、「時間」「ターゲット」「場所貸し」「収益」といった枠組みから書き始めている。
まず箱の形を考えてから中身を詰めるタイプだ、と。
それから「男性は?」という自分への問いかけや、「NG:食事は相性×」という除外メモがそのまま紙に残っている点も。
これはキーボードで箇条書きにしたら消えてしまう、「思考のプロセスそのもの」の記録です。
これらの断片を踏まえて、AIが提案したのが「推し活サロン」というモデルでした。
コンセプトは「美容院の待ち時間を、推し活の準備時間に変える」。
ライブやイベント前にヘアセットしに来る女性をターゲットに、待合スペースを「推し活ラウンジ」として場所貸しする。
推しの限定動画を流す、推し活メイク講座をやる、占いコーナーで「今日の推し運」を見る。
紙面に散らばっていた「昼間〜夕方」「推し」「動画→限定」「場所貸し」「占い」がすべて一本の線で繋がりました。
収益は、美容院側が待合スペースの空き時間を場所貸しで収益化し、ラウンジ運営者は入場料やドリンク課金、さらにアイドル事務所からプロモーション費をもらう形。
紙面の「美容師さんの新たな収益」「場所貸し」がそのまま収益モデルの骨格になっています。
そして「食事は相性×」という自分自身のNG判断が、飲食ではなくコンテンツ体験に振り切る根拠にもなっていたのは面白いところです。
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同じお題を、AIにもやらせてみた
ここでふと気になりました。同じお題をAIが書き出したらどうなるのか。
見づらいが、この画像もAI作ってくれた
AIが出した10個は、パーソナルカラー診断、施術前後の比較写真撮影、サブスクモデル、コワーキング機能、美容師との相性マッチング、待ち時間ポイントなど。
どれも「既存サービスの組み合わせ・最適化」に偏っています。
並べてみると、人間の紙面との違いがはっきり出ました。
まず、AIには「NGメモ」という発想がない。
聞かれた要素を出すことしかできないので、「これはダメだな」という判断を同時にアウトプットする動きが起きません。
そして「男性は?」のような自分への問いかけもありません。
ターゲットを書いた直後に「じゃあ逆は?」とツッコミを入れて、そこからマッチングアプリ・婚活という別方向に飛ぶジャンプ力は、鉛筆×脳、つまり人間ならではのものでした。
全要素が「足し算」のみで、「引き算」は起こりにくい。
これがAIの思考の最大の特徴かもしれません。
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鉛筆の「書き殴り」は、AIへの設計図になる
今回やってみて面白かったのは、3分間の書き殴りが、AIにとっては「思考の設計図」として機能したということです。
紙面には、要素だけでなく「どの順番で考えたか」「どこで自分にツッコミを入れたか」「何をNGにしたか」まで残っている。
その情報があるからこそ、AIはバラバラの断片をひとつのビジネスモデルに組み立てることができた。
一方で、AI自身に同じお題をやらせると、整理された要素は出せても、思考の「ムラ」や「ジャンプ」は生まれない。
鉛筆で書き殴ったメモは、一見ただの落書き。でもAIに渡すと、そこから思考の構造を抽出して、ひとつのアウトプットに仕上げてくれる。
人間が素材を出し、AIが設計図に仕上げる。
この役割分担、なかなかいいかもしれません。
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次回予告
消しゴムの実験は、形を変えて再挑戦したいと思っています。
鉛筆で出す、消しゴムで削る、AIで組み立てる。新しい発見がありました。
文具×AIの実験はまだまだ続きます。





