さてさて稽古も佳境に入ってきました。
毎日通し稽古をしながら、細かい所を詰めている段階です!
さて、キャストインタビュー9人目は、今回のキャストの中では最年長、大滝寛さんです!
大滝さんは今回、岡本かの子の夫であり、当時漫画として大変有名だった岡本一平を演じます。
────稽古も残り少なくなってきましたが、いかがですか?
大滝さん(以下敬称略) 書き下ろしだからね。最初はどんな風になるんだろうと思っていたけど、作家の瀬戸口君をよく知っている分、彼の伝えたいこと、熱い想いを損なわないようにしたいね。
────岡本一平は日本の『漫画』の創始者ですけど、印象に残った作品はなんですか?
大滝 夏目漱石の画だね。よく、とらえてる。それに限らず、一平さんの画は人間味に溢れてる。
────一平は最初酒と女遊びに溺れていたのに、かの子が精神をやんでから、がらっと生活を改めますが、男ってそんなに変われるものですかね?
大滝 かの子が気が狂ってしまったわけだからねえ。一平自身も芸術と現実の狭間で自分を粉々にしてしまいたいというような欲求があって、遊びまわってた所があるんじゃないかな。でも、精神を病んでもなお、かの子が歌を詠んでいたっていう衝撃が一番大きいと思うよ。
────その後かの子の愛人との同居生活が始まるわけですけど、そういう特殊な家庭において、かの子と一平はどういう関係性だったんでしょう?
大滝 家長としての役割が大きいのかなあ。かの子の父親という感じもする。しかし、演じてて、家の中に愛人がいる違和感はあるよ!『あれ、俺もいるんだけど』みたいなさ(笑)
────観ている側としては、まるで家族のようで違和感はないですけどね。
大滝 いや、やってると違和感あるんだよ。おかしいね、一平さんて。俺には考えられない。
────実際は確かに不思議な関係ですよね。
大滝 やっぱり芸術家、アーティストには常人には見えない何かが見えるんだろうね。岡本太郎の絵にしてもそうだし。こう、超えようとした人にしか見えない世界というか、色というか。
しかしなあ、理解出来ないなあ(笑)
この家族関係に乗っかって、どこかのワールドに行ってみようという気分だね。
────どこかのワールドですか?(笑)
大滝 でも芝居の世界にもよくある話でさ。疑似家族みたいな。やっぱりいい作品造るには信頼関係が必要でしょ?そういう部分では、あまり知らない世界でもないかもしれないね。今だってそうじゃない、みんなで『実紗!そのまま前向いて突っ走れ!』っていう(笑)
────最後に読者の皆さんに一言お願いします!
大滝 瀬戸口君が、普段出来ない人間を熱い気持ちで書いてて、役者も気が狂うくらいやってくれよ!っていうものが伝わってくるので、その気持ちを伝えられるようがんばります!
────ありがとうございました!
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