ざくざく文学畑

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本大好き、元図書館司書のこちゃが
勝手気ままに読書感想文を書いています。
高校生や大学生から、働く女性や主婦、男性まで、
ジャンルや気分ごとにお勧めを紹介していきます。

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こんな人にオススメ:人を育てている人、親子で読みたい人
こちゃの気に入り度:★★★★★


教育に関わる人は必読。

子育てする人にも読んで欲しい。

愛情を注ぐということがどういうことなのか、

著者のトリイ・ヘイデンの試行錯誤が心に沁みるノン・フィクションです。


トリイもシーラも、

自分たちのクラスを愛情をこめて

「あたまのおかしい子のクラス」と呼びます。

シーラはトリイに優しくされるたびに、

「あんたってやっぱりあたまおかしいんだね」と言います。

この本を読んでいくと、

あたまがおかしいことは、そんなに悪いことではないと思えてきます。


シーラの心の傷は深く、何度もトリイの信頼を裏切ります。

トリイはキャリアのある教師ですが、

焦ったり、かっとなったり、失敗することもあります。

その2人が、ぶつかりながら、

決して諦めることなく距離を縮めていく様子が

緊張感にかふれ、かつ感動的です。


小さなシーラから飛び出す言葉は、

あまりにも真実にあふれていて、けなげで、

私たちは息をのむことでしょう。


作中に、大切な物語として『星の王子様』が繰り返し登場します。

合わせて読まれることをお勧めします。


●あらすじ●

特別支援学級の教師トリイは、

どこにも受入先のない

問題を抱えた子どもの集まるクラスを受け持つことになりました。

定員いっぱいのそのクラスに、どうしてもといって入れられてきたのが、

シーラです。

シーラは人を全く信頼せず、優しさということを知らずに育ちました。

シーラは泣かない子です。

そんなシーラの心を、トリイは少しずつ根気よく解していきます。

シーラがついに泣くときは、どんな場面でしょう。

ティーンから大人まで、みんなで読める感動作です。


<トリイ・へイデン文庫>シーラという子--虐待されたある少女の物語 (ハヤカワ文庫 HB)/トリイ・ヘイデン
¥760
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こんな人にオススメ:自分を見つめたい人、現代に疲れている人
こちゃの気に入り度:★★★★★



男子にお勧め。

でも老若男女にお勧め。

星5つです。


登山家、山野井泰史氏を描いたノンフィクションです。

雪山で遭難しかけます。

寒いです。

痛いです。

そして、夫婦の絆の物語なのです。


無酸素ソロで壁を登る登山家、山野井泰史さん。

常に死と隣り合わせの、限界に挑戦する登山(登攀)をしています。

彼の生き方は、筋が通っています。

自分の思う登山をするためにスポンサーもつけず、

定職にも就かず、

自分の美学に従って生きています。

彼は本当に自分の好きなものを知っていて、それを貫く強さを持っています。

そして、パートナーにもそういう生き方ができる人を選びました。

それが、山野井(長尾)妙子さんです。


山野井泰史さんもすごいですが、

私は妻の妙子さんに一番感銘を受けました。

彼女は、悟りに近い場所にいる人だと思います。

本物の強さを持っています。

現実を受け入れる精神力が半端じゃないです。

泰史さんが言うように、本当に強いのは妙子さんなのでしょう。


幸せに生きるとはどういうことか。

自分の選択を受け入れて生きるということはどういうことか。

人生について考えさせられる一冊です。



●あらすじ●

山野井泰史、妙子の夫婦はヒマラヤのギャチュンカンに挑戦した。

「遅くても六日で帰ってくる」と言い残した2人は、

悪天候、体調不良、雪崩など幾多のトラブルに見舞われ、

予定を大幅に狂わせての命がけの下山をすることになる。

誰も助けに来ないヒマラヤの氷壁で何があったのか?

山野井氏の半生を振り返りながら描かれる壮絶なノンフィクション。

沢木耕太郎の淡々とした文章が秀逸!

凍 (新潮文庫)/沢木 耕太郎
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こんな人にオススメ:困難にぶつかった人、人間について考えたい人
こちゃの気に入り度:★★★★



戦争の記録として読むだけでなく、

困難にぶつかった人、

生きることが辛いと感じている人にとって

励ましとなり、勇気の湧く一冊ではないでしょうか。



原著のタイトルは「心理学者、強制収容所を体験する」なのだそうです。

心理学者、精神科医であるフランクルが、

自身の強制収容所での個人的体験を語ることにより

人間のぎりぎりの精神状態を描いた作品です。


文章は平易で、淡々としています。

難しい専門用語はほとんど出てきません。

記録、と呼んだ方がふさわしいくらいです。



実体験がひたすら描かれています。

空腹。

被収容者の間での序列。

屈辱に耐えるコツ。

死。

希望。

現実を受け入れる人間の力。


現実に体験した人間にしか語れない、

ぎりぎりの世界を見た人の視点が語られています。

それでも、生きた。

そのことに感動を覚えます。



本書は、戦後まもなく出版された旧版ではなく、

その後に著者が改訂して出版した新版をもとに訳したものです。

私は新版しか読んでいませんが、

旧版とは異なる部分が多く、訳者も時代背景も違うため、

両方読んでみる価値がありそうです。




夜と霧 新版/ヴィクトール・E・フランクル
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こんな人にオススメ:猫好きな人、話題の作家をキャッチしたい人
こちゃの気に入り度:★★


沼田まほかる。印象的な名前。

最近書店で平積みになっていたりする作家さん。

基本はミステリーを書く人のようですが、

本作は猫と人間の交流を描くヒューマンものです。


けれども、ヒューマンものを期待して読むと、

初めはびっくりします。

間違ったかな、と思います。

さすがミステリー作家なのか、

人の心の闇の部分を描くのが上手です。

なかなか心温まる場面にめぐりあえません。

でも最後まで読みましょう。

第3部が一番いいです。

やっと、タイトルから予想したような

猫への愛を感じることができます。


猫の描写と、

人が自分の闇にからめとられていく描写が

やたらと上手だなと感じました。

他の描写に比べて突出しているような。

ミステリーものの方が面白いのかもしれないと思いました。

(私は得意でないので読みませんが・・・・・・)


●あらすじ●

信枝は、ようやく授かった子どもを流産で失ったばかりだった。

夫との慣れ親しんだはずの2人の生活も、

ぎくしゃくしたものに変わってしまった。

そこに現れた、あまりにも小さな捨て猫。

信枝は、その子猫と流産した子どもを重ね合わせずにはいられない。

そしてそんな自分を許すことができない。

信枝は子猫を受け入れることができない。

そこに、見知らぬ少女が現れて…・・・


猫鳴り (双葉文庫)/沼田 まほかる
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こんな人にオススメ:20代~30代の社会人、最近愚痴が多い人
こちゃの気に入り度:★★★



文学ではなく、自己啓発本をご紹介。


気の合わない上司とうまく関わる方法が書かれています。

いわゆる「コーチング(コーチングアップ)」というやつです。

そういう本は私は基本的に好きではないです。

でも、この著者の言っていることはつまり、

「自分の気持ちの持ち方が大事」ということなのです。

自分が変わることで状況は変えられるんだよ、

という考え方が好きで、この本も素直に読むことができます。


上司がどうこうよりも、

最近あらゆることに不満が多い、

あらゆることがうまくいっていない、

と思う全ての人に参考になる本ではないでしょうか。


相手を変えることは難しいです。というより、できないです。

人は、自覚して努力しない限り、そう簡単には変わらないのです。

変わらないものを変えようと頑張ったり、

変わらないことに不満をもって文句を言ったりするのではなく、

自分で変えられる唯一のもの、つまり自分を変えてみる。

そうして状況が好転すれば、それは自分のためになります。


あんなダメ上司のために

自分が変わってあげなきゅいけないなんていやだ

ではなく、

自分が楽になるために自分が変わればいいのです。


生きるのが少し楽になるかもしれません。



上司を味方にする技術/本間 正人
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